|
3月30日(火)
GEM2クール目-第1週 |
|
春ですねぇ。病院へ行く途中の富士神社も満開の桜。猫ものんびりとした風情でいましたよ。この猫は、以前ふてくされて塀の上に寝ていた猫のような気がするけれど、今日は哲学的な風情。
●ダイエットすべきか否か、それが問題だ
8時20分病院着。採血の受付開始は30分からだが、それでも13番。みんな早くきているなぁ。今日は左腕の中心で初めて採血できた。顔見知りの技師さんは「感触がわかった」と納得していたが、次回はどうだろうか。
外来予約は9:30。
血液検査の数値は白血球5200も赤血球39万も十分だという。
「クスリは1回休むと楽ですか」
「はい、元気です。でも、私はもともとあまり変わらないんです。食欲不振というより、食欲が旺盛になるんですけど」
それを聞いた先生、カルテに書いていたのに、笑いながら顔をこちらに向けた。 |
 |
 |
「それはおクスリのステロイドの影響で、そういうことになるのかもしれませんね」。そばで聞いている看護師さんも目が笑っている。
「先々(闘病生活が始まったら、みんなやせてしまっている)のことを考え、このまま体力を温存したほうがいいのか、ダイエットしてある程度の適正体重にしたほうがいいのか。どう思います」
「しばらくはダイエットなどしないでこのままで。減らしたほうがよければこちらから指示します」
「だから先生、(血液検査で)中性脂肪も測ってほしいのですけど。もしかしたら300超えてたりして」
「わかりました。1か月に1回でいいでしょ。(パソコンに入力されている血液検査の情報を見ながら)肝臓のほうもだいじょうぶですね」
「どこでわかるのですか」
「GOT、GPTの数字です」
「先生、ジェムザールは手首のところから刺しても大丈夫ですか。S先生もなかなか腕だとなかなかうまく刺せないので」
「だいじょうぶですよ。ナベルビンは血管が細いとだめで、クスリが血管から出てしまうと細胞が死んでしまう(とかなんたらかんたら記憶不明瞭)」
「飲むクスリならいいのに」
「飲むクスリですか。イレッサねぇ。これはいろいろ他のおクスリをした後でやりたいんですよね」
「飲めたらいくらでも飲むのに。注射打つだけでストレスになりそう」
「ジェムザール、ガブガブ飲むの?アハハ、そうなったら、画期的だね(と楽しそうに)。えーっと、来週はレントゲンもとってもらいます」
「えーっ、また。先生、レントゲンなんてあまり分からないじゃない」
「おクスリの副作用で間質性肺炎を起こすことがあるのでね。CTはあまり頻繁だとどうかと思うけど、レントゲンは大丈夫です。正面から1枚だけ(の撮影)です」
ここで、指にはさむ脈拍計を先生がはさんでくれたところ、「98、103」だった。「脈拍が高いですね」と先生。
ここですかさず、「これから注射すると思うとドキドキして」と答えたのだが
1)この日は熱が37℃あって風邪気味だった、2)先生がハンサムだからドキドキした、3)もともと脈拍は高い傾向があった、の選択問題にしたら回答は何だったのだろう。結局、抗がん剤治療を終えた後でも脈拍は変わらなかったから、2番の回答ではなかったようだ。
抗がん剤の注射は最初から左手首とあきらめたので一発で入った。研修医のS先生に「センサーで血管を感知しブスッと正確に刺せる注射針はどうかな」というと、「ウーン、あまり売れないのでは」という返事。どこかの注射メーカーがそういうのを開発してくれないかなぁ。
●骨シンチ
|
11:45に骨シンチ。今度も注射が入らず、右手首にブスリ(この日はパソコン打つのに手首がしびれちゃったよ)。
2時間おいてから14:20に検査を受けた。検査の待合室にはかわいいゴジラの絵で説明されている。ゴジラは放射能を受けてあのような姿になったはずだけど、放射能の危険よりも、この検査で得られる情報のほうが大きいのだそうだ。 |
 |
|
|
膝が痛いとか、歩いていてカクッとくると、もしかして骨転移???などと疑ってしまうが、一番の原因は太りすぎで体重を支えにくくなっているのではないかと思えてきた。体重管理ぐらいはきちんとできなければ、病気と闘えないのはないか。でも、入院したときに、末期がんでヨーグルトしか喉に通らない患者さんを見たから、食べられるときに食べちゃえ、とパクついてしまうのよね。 |
|
|
3月26日(金)
三ツ矢歌子さんは肺がんで |
三ツ矢歌子さんが3月24日間質性肺炎で亡くなった。67歳。3年前に腰痛で手術したときに、進行性の肺がんが発見され、迷った末、夫の小野田嘉幹さんは告知をし、余命も話したそうだ。三ツ矢さんは復帰したいと生きる希望をもち続け入退院を繰り返しながらがんと闘い続けた。3月11日に息が苦しいといって入院し、そのまま帰らぬ人となった。いかりやさんに続いてすぐだから、がんという病気に対する恐怖心がまた高まっただろうな。それぞれ別のがんだが、一般の人にとっては「がん」は一つのイメージでしかない。
朝のワイドショーでは「いつまでも仕事をしたいという気力がすごいですねー」と女性アナウンサーがコメントしていたが、最後まで働く意欲をもっている人は多いのに、全くわかっていない。大半の人は闘病などとだいそれたことは考えていないよ。ただがんにおとなしくしていてくださいと祈っているだけ、ではないかと思うのだが、どうなのだろう。 |
|
|
3月23日(火)
抗がん剤2回やって1回休み |
家を出ようとしたら雨が降り出した。8:45に着いたのに順番は17番。それも12番くらいまで進んでいたのですぐに順番が来た。今までで一番スムーズ。検査室でも「内科のほうもすいているって」「こんなことは珍しい」「雨が降って寒いからかしら」などと会話している。
採血するのに運悪く3回も注射針が刺さった。いままでは採血できていた右腕の手首も血管が硬くなったとかでうまくいかなかった。
●血小板が下がる
外来の予約は9:30。9:00からの診察で3人目、ほぼ予約時間通りというのも珍しい。
今朝の採血結果をパソコン画面で見ながらK先生。
「白血球はそんなに下がっていなくて3600、これならできますね。(と言いつつ)血小板が11.3万、10万を切るとだめ。ギリギリだね。やるかやらないか。大事をとるならばやらない」
「大事をとると、たとえばだるくなって今日の仕事に差し支えるとか」
「今日薬を打つと、今週末に白血球が下がるとかなったときに、それでも自分ではわからないけれど、血小板が下がると出血が止まらなくなるんですよ。血がかたまらなくなるから、何かにぶつけただけで痣ができるとか、胃が出血して止まらないということになるとちょっと心配。あの〜2回打って1回休みというパターンでも十分の効果があるので、そのほうがいいかもしれないね。
3回打って1回休みという形ができる人は少ないんですよ。やはり3回目はどうしても下がります。比較的日本人は2回に1回休みという人が多いかな」
「先生、(私が)元気そうだから3回でだいじょうぶだろうと思ったの?」
「(図星だったからか少々笑ったみたい)そういうふうに思ったの。前、入院のときにあまり下がらなかったからね」
「でも、15日くらいで下がったですよね」
「ちょっと下がった、だから、今その時期なんですよ。ちょっと様子見ましょうよ」
「はーい、ということは来週?」
「そう」
(そこで来週の検査予定の時間を調節)。
「先生、歯石をとったりという治療はいつごろ合間をぬってやればいいの。どういうときに行けばいいんだろう」
「歯石をとるぐらいならば休みの週があって次にまた行きますよという手前が一番問題がない」
「ジェムザールを打っているときの注意事項は」
「1週目はあまり気をつけなくていい。2週目のほうを気をつけて。けがをしないとかですね」
「飲み物は?体を冷やしたらだめとか」
「ない、ない、ない。それは全然ない。風邪をひいている人に近づかないこと」
「(抗がん剤を)打ち続けていると体がだめになってくるということは」
「そんなことはない。問題がないからやっていられるんでしょう」
「いかりや(ドリフターズのいかりや長介)さんってリンパ節の同じような位置の転移だったから、なんで早期に見つかったのに、あんなに早く死んだのだろうと思ったのですけど」
「(カルテに書き込みをしながら)全然知らない。肺がんなの、あの人?」
「ううん、違うんです。原発は不明」
「じゃあ、全然違うじゃない」
「やっぱ違うんですか」
「病気が違う。リンパ腺のところにできるのだっていろいろな病気があるから」
「形が違うんですか。(がん細胞って)みんなイゴイゴしているんじゃないんですか」
「病気によって全然違う。がんだといったって白血病だってがんの一種です。全然状態が違います」
(納得した私はコロッと話題を変える。これって血液型B型なんだよねー。でも、先生はO型らしくすぐ察知する)。
「(抗がん剤の)3回(続けた後)に1回(休み)と2回に1回だと、トータルだと年間ではどちらが多い?
(言った後でもうおまえはアホかと思うけど、がんになったら頭の回転がモーレツに鈍ったみたい。こんなアホな質問にも辛抱強く先生は答えてくれる)
「3回に1回のほうが多いです」
(年間でどれぐらいの差が出るのかは、家に帰ってから考えよう。)
「ありがとうございまーす。では、今日はスゴスゴ」
「(ちょっと笑って)スゴスゴというか、今日は無理をしないほうがいいでしょう。一番最初から」
「はい、本人は元気なので。どうも〜」
●この日も食堂へ
その後、診察券を受け取るために30分くらい待たされた。
この間、80歳という女性が別の女性に病気のことでいろいろ話しかけているのだが、どうも話が繰り返されるので、少々ぼけていることがわかった。そこで、老人を1人だけで連れてくるのはどういうものかとひそひそ話をしていた。あれでは先生が話す内容もよく理解できないだろう。80歳まで長生きできてもボケてしまうのもなぁ。
話しかけられたおばさまは今度は隣にいた中年の女性に「去年72歳までパソコンを使って働いたけれど、人間は働いたほうがいいわよ」と話していた(その女性はお金持ち風な服装で、働く必要など全然なさそうだった)。
「私72歳に見える?」と聞かれれば「とてもそんなお年には見えません」と言わざるをえないけれど、やはり働いていると元気そうだ。
今日も上へお見舞いに行く。土曜日には退院できるので一安心。お昼にはまたお仲間が揃っておしゃべり。雑誌や本を毎月ものすごく読む人がいて感心した。病気は大変そうなのに明るいし、博学で話もおもしろい。彼女みたいな人こそホームページを出せばいいのに。でも、いろいろな人たちと話をすると、がんは病気も治療法も個人差があることにびっくり。私自身が入院したときに、多くの患者さんの明るさと精神的タフさにおどろいたけれど、「がんは恐ろしい」と周囲は心配しすぎ。そして、マスコミは恐怖心をあおりすぎだ。
私は自分自身の記録として書いているけれど、読み直すと、先生はこんなことを話してくれたのかと思い出すことが多い。
手術のときに森山先生が「胃ガンは再発はありません。胃をとってしまうのですから」と言ったそうだ。確かに、胃の場合は転移はあっても再発はない。同席した
相棒miyaから後で聞いておおいに笑った。以後、メモだけでは心配なので、いざというときには録音できるように病院に行くときにはデジタルテープレコーダーとデジタルカメラを持っていくことにしている。
久しぶりに入院中に一緒だったSさんに食堂でバッタリ。午後からの外来診察。転移か再発で抗がん剤治療をしたのだが、以後腫瘍マーカーも下がったままで髪の毛も生えていた。よかった。よかった。でも、こういう日は会社を休んでこなければならないから大変そうだ。
みんな元気になりますように(とパソコンから念を送ってもしかたないか)。でも、ともかく、みんながよくなりますように。 |
|
|
3月21日(日)
いかりや長介さん死去 |
いかりや長介さんが今朝3時半に東京慈恵会医科大学附属病院で死去。72歳。原発不明がん頸部リンパ節転移と診断され、5月28日に入院したが、極めて早期の発見と診断され、約7週間放射線治療を行い7月17日に退院。その後も入退院を繰り返したが、3月15日の検査でそのまま入院し帰らぬ人となった。
私も頸部リンパ節転移が疑われて治療を開始した。放射線はそのガンだけを狙い打ちすることになるが、転移したということは小さなガンが全身に広がっている恐れがあるので、小さいうちにたたいてしまいましょうといわれ、抗がん剤治療ということになった。いかりやさんの場合、原発がどこなのかはわからないが、同じ部位で治療していたのに亡くなってしまったと聞くと複雑な思い。
極めて早期の発見で10か月足らずで亡くなるものだろうか。人間としては72歳は若い。でも、72歳まで生きられればいいなぁとも思う。私は「抗がん剤治療を続けてガン患者」といっても、外見は太めですご〜く元気、だから、エイリアンのように体内で異常細胞が増殖するガンという病気は不思議でならない。
この間、入院仲間を見舞ったとき、「国民年金だけは少しでも受け取りたいよね」という話になった。60歳を少しでもこえたいなんてささやかなことを言わないで、みんなでよくなろうよ! |
|
|
04/03/20(土)
コレも効かないアレも効かない
|
入院している仲間から抗がん剤って何なのだろうという疑問を聞いた。治療をしてよくなっていると聞かされていても、検査で調べて転移があると、この薬は効かないから他のものにしましょうということになる。私も以前患者の家族から話を聞いたときに、イレッサで肺のガンは小さくなってきているのに、頭のほうのガンは数が増えたという話を聞き、転移し始めたらまるでモグラ叩きのようだと思ったものだ。
結局、アレも効かない、コレも効かない、効く薬がないとなると、「では死ぬのを待つだけですか」と聞きたくもなる。もう少したてばよい薬が出てきますよと言われても、それまで生きている保証はないのだ。
放射線、抗がん剤と治療を続けていても、転移が見つかると、一体現在の治療は何なのかと疑問に思うのは当然だろう。だから、ワラにもすがる思いで健康食品やその他の治療法にも頼るのである。毎年高額所得者で健康食品販売者が上位を占めるのもうなずけるが、彼らがどれぐらいのガン患者を本当に助けたというのだろう。
私は母に勧められアガリクスを飲んでいたが、転移がわかった後、アガリクスが切れても購入しなかった。母は自分が信じた宗教のところへ通ってお札などを買ってきて、「親孝行だと思って大切に扱ってくれ」という。大病をしても治って報告にきている人たちがたくさんいるのだそうだ。死んだら信心が足りなかった、治ったら宗教のおかげになるのだろう。こうやって宗教は太っていくのだが、いくつになっても親は親という年寄りからお金を巻き上げるのは少々ありがた迷惑だ。
●日本は医療器械技術開発が後れている
夜、WEB土曜版ビジネスサテライトという番組で、がんの検査機械であるPETがアメリカで1000台、日本では100台、そのうち50台くらいしか稼動していないとレポートしていた。現在はPET(異常集積を調べる)+CT(形の変化を調べる)を合わせたPETCTというものができ、日本で5台あるそうだ。どんどん新しいものがつくられているが、こうした医療器械の分野では日本は遅れているらしい。 |
|
|
04/03/17(木)
脂肪肝 |
NHKテレビ、朝の「生活ホットモーニング」で脂肪肝を取り上げていた。脂肪肝は、食生活の変化、ライフスタイルの変化で多くなってきている。
私も手術を担当した森山先生から「脂肪肝でキラキラしていましたよ」と言われたので他人事ではない。ふつうは臓器の外側に脂肪がつくが、肝臓では細胞の中に脂肪が入り込
む。
脂肪肝をなくすには、余分な筋肉をなくすこと。運動することが大事。
内臓脂肪、皮下脂肪はとれにくいが、カロリー制限と運動で減らすこと。「内臓脂肪は普通預金、皮下脂肪は定期預金」というようにうまい表現をした医師がいるそうだが、まず最初に普通預金が目減りして次に定期預金をとりくずすということになる。私ならば、ともに減らしたくないのでさらにためこみそうだ。ローン返済のように2〜3か月の計画でエネルギーをマイナスにしていくのがよいそうだ。
食事第一(きちんとした食習慣)、適度な運動第二。そして空腹感覚に慣れることとアドバイスしていた。
ゲストの先生が「脂肪肝」と言ったとたんにだるくなる人がいるというのは笑えた。 |
|
|
04/03/16(水)
「がんに挑む」を見て |
●私はあきらめない
NHKの「私はあきらめない」総集編を見た。やはりガンになった人の言葉は気になる。
ジャズシンガーの綾戸智恵さん「寿命と命は別」。生きることをあきらめない。それさえあきらめなければだいじょうぶ。
ピー子さん「「自分のために」を最後に」。44歳の夏、左目がガンで侵され、義眼になった。検査のときに再発の恐怖が襲ったそうだ。ガンになって初めて、自分が生きていくための優先順位として、「自分のために」を最後におこうと思った。病気になって本当に自分のことを思ってくれる人、本当の値打ちがわかるそうだ。
●「がんに挑む」という番組
日経スペシャル「ガイアの夜明け」では、第100回記念スペシャル【シリーズ・医の底流 第一弾】として、「がんに挑む」という番組を放映した。
この時間帯は録画している韓国ドラマとバッティングしていたので、テレビを見ながら、パソコンに打ち込みをした。見ている人は多いのだろうけど自分のための記録と感想代わりに書いてみる。(テレビの内容とナレーション部分は色を変えた)
「ガイアの夜明け」は、がんをテーマに2004年は取り組むそうである。日本人死因のトップであるし、この問題を扱いさえすれば視聴率はとれるだろう。
映像は、白黒の手術のシーン。「1959年、死亡率2位を占めるがんは人類最後の敵と言われた。20年前からは死亡率1位。そんななか、注目されているのが免疫」といったナレーションで始まり、リンパ球ががん細胞を攻撃している映像が映し出された。
この攻撃力を強めてがんをなおそうという研究について取り上げるらしい。
2年前に大腸がんにかかったというO.Cさん(女性)が登場。免疫細胞療法に望みを託すという。30代でがんに襲われ、2年で4回も手術し、抗がん剤治療、放射線治療と、がんの治療で考えられる治療を受けてくると、免疫療法は「最後の賭けだねみたいな」。
これが本でいえば前書き部分。そこから、「希望の光となるのか。免疫細胞療法でがんに臨む人々を追った」とナレーションが入る。
もしがんになったらどうしよう。なにしろ3人に1人はがんで亡くなるから、とても人事ではない。がんの治療法は3つ。手術、放射線、抗がん剤、しかし、抗がん剤は副作用も伴う。そんななかで第4の治療効果として期待されているのが免疫細胞療法である。
番組は第4の方法として可能性が注目される「免疫療法」をテーマに、台頭するバイオベンチャー、そのベンチャーと組む医師、新療法に期待をかける患者の姿を追ったものである。
免疫療法は、がん患者ならば期待を寄せているものである。仕組みも知っている。しかし、なぜあのような高額でしか治療できないのか(施設によって金額は高いレベルでまちまちである)。免疫力を下げる点で抗がん剤はだめという医師もいれば、併用したほうが効果があがるとうたっている施設もある。
こうした疑問点には答えてくれるのか。
再び最初に登場したO.Cさん。がん患者が日頃はふつうの日常生活が送れることをこうして映してくれるのはとてもよいことだと思う。私も電車に乗ったときなどに、「この中にもがん患者の人が大勢いるのだろうな」と思うもの。
Oさんの抗がん剤治療では苦しい副作用が出たそうだ。その結果、「外に出たくなくなったり、話をしたくなくなったり」した。この苦しみの後、免疫細胞療法を選んだ。壁になるのは金額が張るということ。これが治るか治らないかはある種彼女の生命力。若い元気な細胞の力に期待したい。
これはちょっとおかしいよね。生命力があればがんが治るのであれば、若くしてがんになれば治る可能性が高いということになる。科学的な番組風でありながら、こんなナレーションを入るととたんにこけてしまう。
●免疫療法に取り組む医院
どんな施設が免疫療法を行っているのかは最も関心が高い部分である。
ここで、ビオセラクリニック(東京新宿区 谷川啓司院長)が紹介され、「樹状細胞ワクチン療法」についての説明。
費用150万円。健康保険が活用されず、効果の出る確率は2〜3割。ビオセラクリニックはJBセラピュティクスとJB社が技術支援しているそうだ。社長と院長という二足の草鞋を履きながら、「免疫細胞療法」に取り組む。
抗がん剤治療もそうだが、免疫療法でも確率は2〜3割。本当に当たるも八卦、当たらぬも八卦。だが、何かしら治療に取り組まねばがん細胞は確実に体内に増殖していく。
細胞をとり増殖させていく手間だけ考えても人件費がかかるということはわかる。だから、高額なのだろう。だが、現状ではなんとか維持されているといって、病院側も資金面で大変だということを暗に物語っている。
谷川院長は、もともと東京女子医大にいたのだが、大学の臨床研究には限界があると感じ、独立開業した。しかし、現在でも共同で研究したり患者の提供(この言葉はよくないと思う)を受けたりしているそうだ。
ここで、医局時代の恩師という教授2人が登場し、谷川先生に「研究段階でなく、実施段階に入っているから。なんとなく免疫療法という言い方を変えたほうがいい」とアドバイスしていた。
大学でも「何を考えてるんだ。そんなのがうまくいくはずがない」という疑問や戸惑いの声があがったそうだ。
谷川先生自身も防衛医科大学のときに父親を肝臓ガンで亡くし、8年前にアメリカに留学したという。父を奪ったにっくきガン、というのが現在の治療法に挑む動機付けの一つになっているといったニュアンス。
免疫療法を知ってもらうために、生命保険の外交員を相手に講義するシーンがあり、あまりわかっていなさそうな受講生が感想を述べていた。生命保険外交員が勉強をしているということはわかるけれど、彼女たちのように口八丁の人間が「だから、抗がん剤は、ペラペラペラ」とならないように願う。抗がん剤治療の副作用の弊害が不必要に言われ、おそろしがられていると思うから。
「本当の意味での第4の治療になるとぼくは思っています」という信念で活動する谷川先生は応援したい。いろいろな医療があるのは望ましいと思うから。
●別の患者さん登場。
再び谷川さんのクリニックで患者のM.Eさん。2年前に胃がんの手術をして活性化リンパ球療法の治療を行う。再発を抑えるため抗がん剤の治療を受けていたが、免疫細胞療法にかけることにした。
「費用がかかってもやることだけやれば最悪な状態になったときにあきらめがつく。命には変えられない」
でも、そのやることだけやるというのが際限なく続くとすると、これだけの高額医療をしいる日本の医療制度そのものに対する憤りさえわいてくる。
そもそも人間の体には免疫機能がある。この働きをピストルとするなら免疫細胞療法は機関銃、パワーアップしたもの。
この表現はとてもわかりやすいと思った。
では、がんに効くという証拠はあるのか。
免疫でがんは治るのか。そこで問題となるのが科学的根拠である。20年前その根拠が問われた薬があった。丸山ワクチン(丸山千里博士)である。
抗がん剤の承認は得られなかったが、これまでに延べ36万人が丸山ワクチンを使っている。わらをもつかみたいから、納得いくようにやらせてあげたい。
駒込病院でも丸山ワクチンを使っている人はいる。末期の人が本当にわらをもつかみたい気持ちで使い始め、でも、やはり力尽きていく。
●ベンチャー企業
(株)メディネットは7年前に木村社長夫妻2人で設立したが、現在は100人の社員を抱える。2003年10月で年商16億円。2003年秋に東商マザーズに上場した。瀬田クリニックと提携して業務をしているところが紹介される。「我々がこの分野の世界標準になっていく」と豪語するからスゴイ。
メディネットは免疫細胞療法を行うクリニックに対して技術支援をしている。設備と技術、技師を提供するのである。
テレビ東京のガイドには、ここが支援する「瀬田クリニック」は、「末期がん患者の駆け込み寺」とも呼ばれているとあった。誰がそう呼んでいるのか。巣鴨が「おばあちゃんの原宿」で定着したように、要はマスコミがそう名付けて普及させたいのだろう。だが、こうした安易な表現を使ってほしくない。こんな言い方をすれば、がん患者はそこへ行かなくてはという気になるに違いない。後からも問題提起されているが、効果が明確に示されていないというのは最大のネックになっているからだ。
奏効率29%、完全寛解2%、部分寛解17%、健康保険はきかない。科学的な評価を得て安全性が確立するようにすることが今後の課題だそうだ。
ここで、瀬田クリニックの江川滉二さん登場。医学界からは異端視されながらも、医療現場で免疫療法を試している。
事業拡大を続けるメディネットは、初の海外進出として韓国ソウルへ。日本から派遣されたスタッフが韓国を指導する姿が映る。
ここでもがんになった韓国の患者さんが「がんがわかったとき、いいようのない衝撃で2日間泣いた。運命として闘病生活を受け入れよう。とにかく死ぬまで最善を尽くそう」と語る。その最善が免疫細胞療法というわけ。本当に駆け込み寺的なテーマの扱いである。
この患者が三星病院での検査を終えて出てきたシーンがおもしろかった。病院に入ってから2時間後、ご主人はなにやら怒っているというので、何事かと思ったら、2時間も待たされたというのである。こんなに待たされたのは初めてと怒っていたが、日本では当たり前の光景である。検査の結果、がんは1cmも大きくなっていたそうだが、免疫細胞療法について医者に相談したところ、検証されていないのであまりすすめないといわれたそうだ。
韓国で免疫細胞療法は受け入れられるのか。
あまりヨイショだけをしてはいけないというので、批判の声も出そうとしたのか。高額で効果もはっきりしないという批判が根強いというナレーションの後、慶応大学の古川俊治先生がコメントする。
「まゆつばみたいな医療につぎこんで、ちょっと悪質な商法だと思う。がん患者の心の痛みにつけこむのは許せない」
会社と医療機関がうまくやっているのであろうという批判は重々承知した上で、免疫細胞療法の人たちは現在のような手法をとっているのだそうだ。
ここで、胃の3分の2をとった先ほどの患者Mさん。体重が15kgも減った。「闘いですからね、病気との」という言葉。ガン患者に聞くとガンと共生しガンが暴れなければいいという人が多いが、まだMさんは再発もしていないのに、免疫細胞療法に賭ける意気込みがすごすぎて痛々しい。
期待が高ければ高いほど失望も大きいのにと心配にもなった。
クリニックの地下にある細胞培養加工室で、Mさんからとった細胞をカウンターで数えている光景(カウンターだよ、カウンター。最先端技術なのにえらく原始的だなぁと妙に感心した)。
この免疫細胞療法は、大きいガンは進行を食い止め、再生を恐れる患者には目に見えるレベルにさせないのが目標になる。
患者の幅を広げるのは難しい。末期がんより中期の患者に力を注ぎたい。だが、いまはエビデンスがなさすぎる。
次に、久留米大学に行った谷川さん。久留米大学病院の白水和雄外科教授らと共同研究を始めることになったそう。
ここで白水先生のコメント。「常に治療方針を医者のスタンスで考えてくれるとよい。通常の経済人であると経営を追求する」
これは全く同感。ベンチャー企業が医療に進出する動機付けがどこからきているのか。いまひとつわからなかった。解説を読むと、一部の大学病院で「高度先進医療」として認められ臨床が行われてきたこの療法を「全てのがん患者に」というのが社長の木村佳司の起業した理由とある。だが将来的には莫大な利益をもたらすという思いがあるだろう。なぜ日本で普及していない時期に韓国へ乗り出すのかの理由も明らかではない。
最後は患者のMさんが、さらにこの療法を続けることにしたというシーン。きっと今回の患者たちを追いかけて、その後の番組にもつなげていくのだろう。
なぜこのように高額なのか。単に健康保険が効かないだけで乗り切られては納得がいかない。普通のキノコが100円で、アガリクスが1箱数万円。なぜならガンにきくかもしれないから、という健康食品と同じような展開だ。高額とされた検査PETだって健康保険適用になったが、免疫細胞療法がもし本当に「駆け込み寺」的に希望がもてるのであれば、普及した場合に金額はもっと安くなる見込みはあるのか。新薬実験のように希望治験者によるデータがとられているのか。政府の動きはどうなのか。そうしたことも取り上げてほしかった。
説明を読むと、抗がん剤のような副作用がなく、がんの再発を予防したり、患者のQOL(生活水準)を向上させる効果があるとされているが、客観的に認められた効果を示すデータはまだほとんどないとされている。
抗がん剤も医療の現場では、副作用が少ないようにその人の体に合わせて調整されている。知らず知らずのうちに白血球が下がるということも確かにあるが、吐き気や食欲不振などはかなり改善されているはずだ。副作用、副作用とむやみに騒ぎすぎるから、現在元気な人さえ「自分がガンになったら、抗がん剤治療は断固拒否して免疫治療をする」なんて人が出てくる。まるでこれが出てくればすべてがうまく収まるという水戸黄門の印籠のようだ。
批判の声などもとりまぜながら、紹介はしているのだが、「日経スペシャル」という肩書きがあるからか、どちらかといえばベンチャーに肩をもった構成になっていたような気がする。
|
|
|
04/03/15(火)
Qちゃんショック |
8時40分に病院に着いたのに血液検査の順番は26番。暖かくなると患者の出足も早くなるようだ。今日こそ腕から採血してもらおうと、待っている10分ほどお湯に手をつけて温めておいたが、やはりだめで今回は手の甲から採血されてしまった。すごく痛い。
9時半予約だったが、診察室に入れたのは9時50分頃。
前回撮影したCT写真が並ぶ。
「先生、どれを撮ったらいいですか」と聞き、この2枚と指さされた写真を撮影。
「CTの結果、リンパ節の大きさは変わりありません。治療を始める前段階としていちおうCTをとりました。手術後にリンパ節が腫れるということはあるけれど、これはわからないですね」。
先生も腫瘍マーカーの上昇とその原因と考えられるリンパ節の腫れとかが連動していなくて少々戸惑いぎみの様子。(変化がないそうなので、CT写真をアップするのはやめた。)
「肺の中は変わりなしです。転移はありません」
「CTに写らなくて、陰に隠れていて他でムクムク大きくなっているという可能性は?」
「頭、それから骨。検査しておいたほうがいいかもしれませんね。MRIをやったことはありますか。MRIは情報がいろいろわかるからしておきますか」と検査の日取りを決める。骨シンチとMRIをすることになった。
「先生、頭の後ろのこの辺りが痛いんですけど。これってパソコンの疲れ?」
「そうですね。そこはがんではないですね。眼精疲労もそこに出てきますよ」
「ことしは花粉症にもならなかったのになぁ」
「ことしは楽みたいですね。ぼくも花粉症で、薬を飲んでいるせいもあるけど平気ですから。ここで花粉症の薬をくださいという人も少ないんですよ」
そういえば、うちの相棒が地元でお世話になっている加藤内科胃腸科クリニックにいったときのこと。
「花粉症はだいじょうぶですか」と先生に聞かれた。すると相棒は「全然問題ないです」。加藤先生が「アハハハハ、原始人ですね。私もかからないんですよ」。
それからいくと花粉症というK先生は現代人ということか。
患者のMさんのことを聞いたら「あ、上にいますよ」。ボソボソと「なかなかよくならないんですね」と独り言をいうと、「そうですねー、でもとても元気なんですよ」。その言葉を聞き、見舞いにいこうと思った。
「先生、いまの私の状態ならば何年先とか計画をたてなくてもまだだいじょうぶ?」
(先生は質問の意味を察したのか、すぐに)
「だいじょうぶですよ」と答えてくれた。再発すると今後は3年、5年で生きる計画をたてなければいけないだろうかと少々不安だった。
「お仕事のほうはどうですか?」
「はい、自由業なので、ガンだからといって仕事をほされるということはないんです」(ちょっとピント外れな回答だったみたい)
「薬を打ったときにぼーっとしないですか」「しません」
「便秘したりはしませんか。この薬は便秘になる人がいます」「しません。玄米や分つき米を食べているので」
こんな様子で終わった。
抗がん剤治療の注射はまたしてもすったもんだ。研修医のS先生は一生懸命なのだが、針が無事にささるまで緊張をしいられるほうはたまったものではない。針を刺すのが難しいといっても一発で入れる人もいれば、何回やっても入れられない人がいる。これが技術の違いではないだろうか。
●腫瘍マーカーが上がったらどうしてくれる
お見舞いにあがっていったら外来のお仲間も3人きて、入院している2人と一緒に食事をすることになった。
会話は当初高橋尚子選手の話で盛り上がった。
|
*どうして連覇のかかっている選手をはずすのか。
*陸連が入れたかったと弁解するのならば実績を買ってはじめから選び、後の2枠を競うようにすればよかった。
*高橋選手が出場したレースは気候条件が厳しく1位になった選手も記録が出なかった。棄権をした選手も多かった。そうしたレースであったということが考慮されていない。たった一度の失敗を見て、だめだと評価したのは許せない。
*記録だけならば1つのレースで決めればよい。気候が厳しかった東京国際女子マラソンを他選手も走れば記録は出なかったはず。
*他選手は記録だけ見れば高橋選手を上回っているが、そのレースの最高記録をつくったというわけではないし、記録としては平凡で、コンスタントな実績もない。そんな選手がオリンピックでメダルをとれるとは思えない。
*6度も優勝を続けている選手がたった一度失敗しただけで外すとは。それならば実績も考慮するといわなければ名古屋に出場したはず。
*昨日はストレスがたまりまくりで、腫瘍マーカーがあがったらどうしてくれると憤りで眠れなかった。悔しくてしかたがない。これでメダルの可能性がなくなり、オリンピックを見る楽しみがなくなった。
*高橋選手の記者会見はすがすがしかった。きっと高橋選手ならば世界のレースでまた活躍してくれるだろう。そのときに陸連ザマーミロって思うことにする(笑)。
*高橋選手は日本の宝だけでなく、世界の宝なのに。日本記録を出し、世界記録を出した選手を大事にすべき。 |
等々、怒りの百連発。私もQちゃんショックを受けて落ちこんだけれど、そのおかげで腫瘍マーカーが上がったらどうしてくれる!!というのは全く同感だったので、ここに書くことにした。
病院の患者にアンケートしたら「Qちゃん応援派」が圧倒的に多いと思う。それは、もし高橋さんが出場してメダルをとってくれたら闘病する元気や勇気をもらえると思うから。有森選手のときにも選考結果が問題になったが、結果オーライだった。選手の層が厚いといわれ続けた日本だが、オリンピックでは若い選手が負け続け、実績のある選手が勝ってきた。
出場できる3選手にしてみれば、負ければ「だから、高橋を出せばよかった」と言われることはわかりきっているから、それを跳ね返す意味でも頑張ってほしい。とは思うものの、これで金メダルの可能性はなくなったと本当に、本当にガッカリ。
ま、気を取り直して、駒込病院すぐ近くの神社にいたニャンコたちでなごむことにした。

きじとらは丸顔でかわいい |

半身を乗り出して餌を食べる横着猫 |

車の上で気持ちよさそう |
|
|
|
|
04/3/13(土)
イチローがんばれ
|
NHKの衛星放送でシアトルマリナーズとシカゴカブスのオープン戦を放映してくれた。ことしもヤンキースの試合に重点をおいていそうなNHKだが、とりあえず今シーズン初めて試合をしているイチローを見ることができたので感謝。
マダックス相手にチーム唯一のヒットを打って、盗塁もした。やっぱりカッコイイ。打率5割の好成績だが、このまま球をよく見る方針を続けてほしい。ことしはメジャーに日本人選手が10人いるそうで、みんな応援しようという「やさしい気持ち」になっている。
できれば、イチロー4年連続200安打、さらにできれば4割、首位打者、盗塁王、さらに、さらにできればワールドシリーズでマリナーズ優勝、イチローMVPなんて期待しちゃったりして。イチローが活躍するのを見たいというのも、長生きしたいという目標の一つになっているので、ことしも元気に応援しようと思う。
|
|
|
|
04/3/9(火)
ジェムザール長期投与(?)の開始 |
今日の天気予報では春のような陽気になるそうで、薄着で病院に行った。春が近づくと気分は弾む。
8:45着。採血は手首の所でとるのが定例になってしまった。初めての技師さんは腕をチェックすると必ず「いつもはどこでとっていますか」ときく。
今日の人も、手首と答えるとホッとしたように手首から採血した。
外来予約は9時半からだが、10時に呼ばれた。
「どうですか。変わりはありませんか。食欲はありますか」など簡単な問診。「夜になると咳が出ます。空気が乾燥していると出るみたいで、エヘン虫のような咳」というと先生はクス
クス笑い。そして、おもむろに「腫瘍マーカーがまた上がりました。19.1です」と切り出した。
今日から抗がん剤ジェムザールで治療することになっているが、これはいくつかの選択肢から私が前回の外来のときに速攻回答したもの。そこで、今回は先生にも「ジェムザールでいいと思いますか?」と
きくと、「いいと思いますよ」という返事。
ジェムザール1200mgを毎週3回連続して投薬し、4回目を休む。
「先生、それをいつまでするのですか」
「薬が効く限り。それは決まりがないので、何クールかわからない。効いているうちは、いつやめればよいかの判断がなかなか難しい」
ここで、頭の中の計算機がパチパチパチとはじかれ、月約6万円という金額がチーンと打ち出された。ヒョエ〜と内心思う。
「効かなくなったら、別のお薬をしましょう。まだ2剤ですから。(他の候補薬としてあげた)タキソテール
だと入院してもらうことになり、髪の毛も抜けますね」
「入院はいやなんです」(9時消灯がいやなんていえないが)
「外来でもできるかもしれません。でも、最初だけ入院してもらうことになります。それは、そうなったときに考えましょう。
(ジェムザールは)まれにですが、間質性肺炎になることがあります。熱が出たり、咳が出たりしたら、いつでもいいからこちらへ来てください」
●外廊下で患者同士で盛り上がる
外廊下に出て熱を測ると36.7℃、血圧150-92(治療が終わったときには138-85に下がっていた)。患者のWさんを見つけて雑談。Wさんも昨年9月からジェムザールを3週続けて1週休むパターンを続けているが、
「1回1万8000円は高いわよね、だけど、前に同室だった人は1回3万いくらの薬だって〜」と教えてくれた。やはり効かなくなるまではと言われてジェムザールを続けているが、胸膜の腫瘍が2mmほど薄くなったと言われたと笑っていた。こんなことなら右肺全部とっちゃってくださいと頼んだけれど、さすがにそんなことは聞き入れらないようだ。よくそんなことが言えるなぁ。
「ジェムザールは髪が抜けないと言われているけど、ジェムザールだって髪は透かしになるわよ」だって。
「効く薬じゃなくて、安いのでやってくださいって言わなきゃならなくなるかもね〜」と盛り上がって話をしていたら、近くの男性患者さん
(この人も後で抗がん剤治療をしていた)が微笑んでいた。ここでレントゲンやPETの話も出たのだが、これ
を書くとガッカリする人もいると思うから書くのをやめておく。PETよりもよい検査機が出たそうだが、PETがよいといわれ設備投資したら、またすぐに次の機械が出
るなんてたまらないなぁ。携帯電話のようにすぐ新機種に乗り換えられ、旧機種がめちゃ安くなるというのならばいいのに。
それにしても、病院関係は何もかも高い。イレッサだって1錠を毎日飲み続けるのだから高いはず。治らなければ、ガンはまるで底なしの金喰い虫だ。ガンとの共生は、「貧乏神と共生する」ことにもなる。がんばらなくっちゃと仕事の意欲がムクムクとわいてくる(ガンの効用?)。
●抗がん剤注射ですったもんだ
抗がん剤を打ちに来たのは、また新しい研修医のS先生。最初に左腕で血管を探したらダメ(左腕のほうがふだん使わないから都合がいいのだが)、次に右腕をさんざん苦労して探し、なんとか刺してくれた。このとき「心眼で刺しました」と言ったのが笑えた。次回は頑張って左腕に挑戦してくれるという。
ジェムザールを選ぶと毎回注射をするというのをコロッと忘れていた。でも、ジェムザールが効いているうちは、他の選択肢を残しておきたい。イレッサを飲むと、グレープフルーツ、ヨーグルトといつも飲み食いしているものがだめだというから、最後の手段にしておこう。
ベッドの隣の女性は「80歳になってこんな思いをするならば、もう死にたい」とぼやいていた。看護師さんに「そんなことを言ってはだめですよ。もっと具合の悪くても頑張っている人はたくさんいるのですから」とたしなめられていたが、あまり慰めにはならなかったかもしれない。
●CT検査にて
次は午後にCTの予約が入っている。抗がん剤の注射が入りにくかったので、CTの造影剤を入れるときにも同じところでいいかもしれないと、看護師さんがそのまま針を刺しておいてくれた。もしかしたら、だめかもしれないと言われていたが、案の定、だめだった。CTの人たちは、「何度も痛い思いをさせてすみませんね」などと対応がとても親切だった。
14階の入院患者というご高齢の女性と会話。消化器系のがんで3ヵ月入院しているという。今日CTをとって今後の治療についても家族を呼んで話を聞くのだそうだ。
病院の食事がまずいという話になって、「見舞いの人がいろいろもってきてくれるからそれだけでおなかがいっぱいになっちゃう。今日、院長先生の回診があったのだけど、食事の欄の<全部食べた>というところに丸を付けておいたら、院長先生が病院の食事はおいしいですかと声かけてくれたわよ。悪いことしちゃったかしらね」と笑って打ち明けてくれた。こうやってひとときでも明るい人と話すと楽しくなる。
本日の支払いは27650円也。やはり抗がん剤治療とCT検査が加わると高い。
外に出たら、駒込病院駐車場の桃(梅かも?)が咲いていた。春なんだなぁ。
(6月8日、梅の実がついていたので、梅と判明)
|