|
8:30に到着。採血検査は18番目。先週と同じ技師さんに当たったが、私が前に座ったとたんに「今日は手の甲からとる人が続いているんですよ〜」と言った。手をお湯で温めていて採血に備えていた人も結局はだめだったようだ。
私も一度左手首で失敗し、手の甲から採血することになった。「手の甲は血管がふつうやわらかいのに○○さんは硬いんですね」とのたまう。
「治療のせいかしらね〜」と技師さんもブツブツ。
「あー、もうこんな生活いやだ」とボソッと言ったら、隣の技師さんが同情めいた笑みを浮かべていた。
毎週採血ってほんとにいやなんだよ〜。他のサイトを見ると、2度も失敗した、下手くそ、バカやろ〜みたいなニュアンスで書いている人もいるけど、私も病院名を匿名にすればよかったと思ってしまう。ホント、採血だけは心の中で罵詈雑言。注射メーカーもセンサー付けるとか何か考えろよと言いたくなる。採血される側に原因があるように言われるが、腕のよい「注射の達人」もいるだろうに。技術が下手な人が増えてきたのなら、もっと対策を考えろ〜〜。
いつもすったもんだになるから、採血の時間が長くなる。手首や手の甲の痛みは慣れるというより、血管がストライキを起こしているみたいにますます痛さを感じるようになった。夜「家庭の医学」という番組で出演するタレントが採血を受けるときに痛そうに顔をしかめていたが、私なんぞ毎週なんだぞ〜。
■外来診療、MRIの結果はセーフ
8:55に外科診察室の前にたどりつけた。9時から診察が始まって4人目(9:05、9:11、9:21、10:30)だった。
「おはようございま〜す」と入っていくと気持ちいい。
「おはようございます(さわやか系)。どうですか。オクスリ入れていないと楽ですか」
「元気だから、あまり変わらないです。私の場合は。先生、今日はまた判定があるから(とデジタルレコーダーを出す」
|
「そう、頭のMRIなんですけど」
「なんか出てた〜?」(な、なんなんだ、後から聞き直すと患者の側からのこのタメ口は)
「全然何ともない」
「あ、よかった、本当に? わーい。(といって今度はカメラを取り出す)。どれを撮ればわかるんですか」
「どれを撮るといっても、どこを撮っても同じなんですけど、というか、どこも撮らないと全部はわからないんですよね。まぁ、全体に撮ってもらってもいいですけど。このへんぐらいからかな」 |
 |
「よかった〜、これがだめだったら、もう〜」
「MRIやって明らかな病巣がないということは、まずそんなに心配ないということで、CTよりはかなり細かくわかりますから、安心してもらってよろしいかと思います」
「あー、よかった。(ここでハタと気付き)でも、先生、頭が萎んできているとか」
「ないです(とキッパリ)。萎縮もないし、ちっちゃな脳梗塞みたいなものもないですし、全く異状なしという状態。あと、頭の骨にも問題はなさそうですし」
「先生、注射をとるときに、このへんからでも血管がすごく硬いと言われるんですけど、血管をやわらかくするのって、血液サラサラにしないとだめ?」
「血液サラサラにしても血管自体の硬さはあまり変わらないですよね」
「血管を軟らかくするのは?」
「血管を軟らかくするクスリは……」
「クスリでなくて、運動すればいいとか、そういうのもだめ?」
「それ以上硬くなくするというのは、高コレステロール血漿とかだと、動脈硬化が強くなるので、食事療法とか、??療法(聞き取れず)
だと、今後硬くはなりにくいということはある。ただ採血をしたりとか何かをして刺激があると、どうしても硬くはなる。壁が厚くなってしまう」
「先生、打率だったらいいんだけど、このごろ4割、5割になるの(これって後で考えたら、成功率でいくと2割ぐらいだった)。2回差せばいいだけなのに、5回も差されるとか〜」
「4割、5割?それならまだまし(笑)」
「痛いんですよ。採血と抗がん剤で、ほとんど2回ブスブスとやられるんです」
「(ハーとため息)。でも、なんか治療やめづらいですものね」
「あ、でもいいです。我慢します。注射か、死かといわれれば注射選ぶでしょ」
「だからといって、入れっぱなしの点滴の管もねー、異物が体の中に入るとよくないですよね、そういうやり方もあるんです。埋め込み式のもの。ポートというのを入れておいて、そこに差す。でも、それは体の中に異物が入っていることになるのでね。よほど点滴とれない人とか、衰弱している人で在宅で何かという人はしますけれど、あまりおすすめではないですね」
「わかりました。我慢します」
「ま、そういうことで、心配ないのでやらせていただきます」
「まだ血液検査の結果って出てないのですか」
「白血球が7600、ただ炎症反応は特にないと思いますね。好中球4700、血小板は26万。プリントアウトしときます?」
「ありがとうございます」
(プリントアウトしている間にも再度写真をパチパチ)
「この数字ならば特に心配ないと思うので、今日は点滴を入れさせていただいて、今週と来週入れて、ゴールデンウイークはちょうどお休み」
「お休み?」
「病院もやっていません。いちおう公務員ですから。ま、白血球の値だけちょっと気にしながらなんですけども、熱が出るようなことがあれば、いらっしゃっていただければ」
「でも、いままでもだいじょうぶだから、だいじょうぶです」
「たぶんだいじょうぶだと思う」
「そんなに無理もしないし」
「でしょ」
「早く寝るようになったし、生活も変わったからよかったみたい」
「よくなりました?」
「とにかく夜更かしはしないようになりました」
「無理はしない。なんだかんだで忙しいんでしょ」
「はい」
ここで脈拍を計る。
「出ないか」「もうちょっと」「あ。すごく速い」(などと脈拍計を見ながら、ボソボソ。
「MRIがだいじょうぶだったという気持ちが出ているのかな」
「それはいえるかもしれない」
というわけで、137、73、83という数字が出た。
「じゃ、支度しますので」
「はーい。どうもありがとうございました〜」
「じゃ、27日に」
「どうも失礼します」
■待合室で
Fさんが待合室にいた。今日はちょっと元気がないそうだ。指先が黒っぽくなるのもクスリの副作用と教えてくれた。治療がつらいので、ほんの少しの間休みたいと申し入れるとか。パートで働こうと思うのに、書類選考でパスしても面接で事情を説明すると会社がひいてしまうのがわかると言っていた。火曜日だけ休みをとるといっても、いつ入院するかわからない人を採用するには二の足を踏むということらしい。専門職の業種だが、小さな事務所でやっているところが多いからなおさら。ガンバリ屋さんでとても素敵な人なのに、どうしてがんになんかなったのだろう。本人はとても淡々と話してくれるだけに、こういう人こそ社会でバンバン活躍してほしいと思うと悔しい。
■抗がん剤治療
抗がん剤の注射は左腕がだめで、結局手首になった。なんだかんだのやりとりで、吐き気止めを打つ前に気持ちが悪くなる気分。「今度からやはり手首にさせてください」だって。おいおい、研修医って、研修するために来てるんだろ。あきらめたらだめじゃないか。伊志嶺先生なんて一発でちゃんと入れられたぞ〜〜〜ぉ。安全圏で満足していたのではだめじゃないか。と心の中で悪態をついてしまう。一発で成功したら、記念撮影をしようと思ったがやめた。
その後、エレベータで見かけて「かわいい!」と思った他科の研修医が前のベッドの患者に点滴を差していたが、失敗し応援を呼んでいた。
|
応援の先生は一発でうまく刺した。やはり点滴を差すのも熟練が要るようだ。うーん、ハンサム・スマート系で注射の下手な医師と、モッサリ・ポヤ〜ン系で注射がめちゃうまい医師だったら、やはりモッサリ系だな。
いつもかわいいエプロンをしている看護師さんは今日はクマのぷーさん。白衣は高いからエプロンをこまめに取り替えているそうだ。写真をとらせてもらったが、顔はだめだって。ショートカットで写真映りもよさそうな人なのに。 |
 |
 |
■Mさん、やせちゃった
点滴が終わったら、Mさんに久しぶりに会った。私を見るなり「まー、てんてまりみたいに太ったね」という。「Mさんだって、がん患者なのに太ってるといわれて怒ってたじゃない」「あんたは太ったよ。でも、ダイエットなんてしないほうがいいよ。体力つけなきゃ。私なんてこんなにやせちゃった」。確かにほっそり。おまけに放射線をしたので、顔にシミができてしまったそうだ。
Sさんが先週の月曜に亡くなったことを聞いた。転院する病院を探していたが、移る前に亡くなったわけだ。2年前、検査入院したときに一緒だった。あれからずーっとSさんは入退院を繰り返していた。この間、食堂でみんなで食事をしたときにもほとんど食事が喉を通らないみたいだし、話もあまり通じないようだった。Sさんの闘病は2年間。なん
と言っていいかわからない。
|