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8月31日(火)
採血するのに30分!?

 いつもよりも10分早く7:50に病院に到着したのに採血は6番目だった。検査技師は4〜5人だから、2巡目には回ってくる。ところが、8:40に採血順番が来たにもかかわらず、終わったのは9:10だった。「右手首は抗がん剤用に残しておく」ようにお願いし、左手首から入ったのだが、これまでは簡単に採血できていたのに、出ない!! 針は刺さるのだが、血の出具合が遅々たるもので、途中で技師さんがあきらめた。
 
 「ねぇ、手をあげたほうがよくない?」(血が上から下に流れるかもしれない)
 「それでは逆に出にくくなるんですよ」
 などのやりとりの後、注射針を抜くと、なんのことはない。血がちゃんと出るじゃないか。「これぐらいの量で検査できればいいのにね」と双方でぼやく。すぐ次の個所に移ったために、手の甲がすっかり黒くなってしまった。まるで薬中毒みたいだ。
 次は右腕に挑戦してくれたが、これもだめで再度左手甲に刺してようやく入った。全くすったもんだ。「結果はそんなに変わらないのだから、採血しないで(抗がん剤を)打つというわけにはいかないのかなぁ」というと、担当の人だけでなく、隣の技師さんも「だめっ」と首を振った。それにしても9ml、2mlと2本とるだけで30分もかかるなんて信じられる!? 
 注射針のメーカーは痛くない注射針か、血管がセンサーですぐにわかるような装置を考えてほしい。お願いだから、後生だから〜〜。

 30分間の恐怖とストレスは、おそるべきことに血圧に表れた。外来診察を受ける前に血圧を測らなければいけないので、測っていたら「2番診察室へ」という案内メッセージが入った。
 あせるのに、腕は血圧計に入っているからすぐに抜けない。早く終われよ〜ッと思うのに、こういうときに限って時間がすごく長く感じられる。出た数字を見てビックリ。最高血圧161、最低血圧103、脈拍数101。なんじゃ、これはというぐらい高い。
 診察室に入ると、私の顔見せが遅いので、K先生が「んもぅ〜どうしたんだ」というような顔をしていた。
 「注射を3回もしたからストレスで血圧が高くなった」と説明したが、その後3回も診察室で血圧を測るはめになった。

 これまでオクスリを点滴した際、吐き気止め2剤のうち、1剤が注射のときと点滴のときとがあったので、「どう違うか聞いたら、注射はすぐ入り、点滴はゆっくり入ると言われたけど、そんなのバカでもわかりますよね」というと、K先生は(なるほどねー)(患者さんをバカにしたようなことを 言ってはいけないのに)(キャハハ、そんなこと言ったんだ〜)、このうちどれが該当するのかわからないような複雑な表情だったが、「でも、間違ってはいないですよね」と笑っていた。こちらはなぜ1回だけ点滴になったのかを聞きたかっただけだ。

 診察と抗がん剤治療の間に、この日は健康診断でひっかかった腎臓を調べるために超音波の検査。

 点滴はA先生。右手首をタオルで温めておいたので、なんとか1回で入ったが、すごく痛かった。手首の場合、採血では細い針を採用してくれるのだが、点滴はどうなのだろう。

 このごろはガンから逃れたいというよりも、注射を打ちたくないから病気をなんとか治したいという気持ちが強くなってきた。手の甲や手首への注射は「痛い」といっても1回で決めてくれれば、それほどストレスは感じない。中で血管を探られるのがどんなにいやなものか、医師も技師も研修段階で身をもって試されればいいと思う。


8月29日(日)
バンザイ!!痛くない注射針だって

 うわ〜っ、こういう注射針を待っていた。「刺しても痛くない注射針」。訪ねていって「ありがとう」と何度も感謝したい気分だ。大手のテルモが1年かけても開発のメドがたたなかったというのに、町工場で注文通りに実現させてしまうところがすごい。

 岡野工業代表社員となっているから、ここは合資会社かな。岡野社長は自分自身が注射が原因で病院嫌いになり、そのときに味わった痛い思いをバネにこんな優れものを開発したそうだ。なんだか写真の顔が神様のように見えた。これって期待のしすぎかなぁ。

 来年から病院向けに出荷が始まるらしいが、販売量は年間10億円ということだから、全国の病院に行き渡るのかどうかはわからない。駒込病院様、お願いですから、この記事の注射針を採用してください(でも、この針って採血の針も入るのだろうか)。


日本経済新聞04年8月29日付

 

8月26日(木)
1万歩目標

 今日のお昼のニュース。イチローの200本安打はどうなったかと思ってニュースを見たら、虎ノ門病院の医療事故。肺がん手術後、人工呼吸器が外れたまま約12分間放置され、70歳の男性患者が死亡した。事故当時は、早朝なのでアラーム音量を絞っていたとのこと。ただでさえ肺の手術 後は呼吸が苦しいのに、痛ましい。

 ■万歩計購入
 ところで、やせるために何をしているかというと、まず万歩計を買った。OMRON製で購入価格5000円。これで夕食後1万歩以上歩くことを続けている。5〜7kmで、1時間から1時間半かけて歩く。朝はフルーツかフルーツジュース、間食をせずに、ウォーキングしているが、体重はごく少しずつの上下、体脂肪率も若干下がっているかなという程度。歩くのは体力をつけ、心肺力も高めてくれるそうだ。


8月23日(月)
マラソン、よかったね

 8月13日〜29日までオリンピック。ほとんどの生放送が夜中になるので見ていないが、女子マラソンだけは1時すぎに起き出して最後まで見た。病院で女子マラソンのことをみんなで話し合ったのはがついこの間のように思えるのに、あのときにいたMさんはもういない。
 それにしても、野口選手が優勝し、私たちの予想が大外れしてよかった。陸連は橋選手を選ばなかったことでだいぶ抗議の電話を受けたそうだが、これでホッとしていることだろう。とはいえ、あの上り下りが厳しい過酷なコースならば、実績や経験で選ぶほうがよかったのにと思った人は多いだろう。どちらが金でもよいが、金、銀、ワンツーフィニッシュも可能だった。金メダルを女子マラソンで連続獲得した人はいないのだから、候補に残った時点で決定してよかったと思う。4年後の野口選手のときも同様だ。

 今回のオリンピックはNHKが何度も再放送の映像を繰り返すので、私の周囲はかなりあきれている。おかげで、イチローが4年連続200安打に向けて絶好調のときは、MLB放送がなかった。オリンピックで入賞したレベルでは4年後にはほとんど記憶には残らない。イチローのほうがよほど歴史に残るはずなのに残念。オリンピック期間中に台風で農作物の被害が多く出たのに、オリンピックのお祭り騒ぎのニュースに押しやられた。BSで流す他国のニュース番組では、オリンピックのニュースがトップに来る国は少ない。
 オリンピックは4年に1度だから、次のオリンピックは見ることができるかなぁなどとよけいなことも考えてしまうが、今回は結果をニュースで知るぐらいだ。夜更かしをしない生活も病気のおかげかな。でも、選手たちの活躍で、元気をもらった患者さんは全国にも大勢いると思う。


8月17日(火)
残念

 8時前に病院に到着。受付機のところに職員の人が待機していた。受付をすませて血液検査に行くと、もう前回とは違っていて、診察券をボックスの中に入れる仕組みになっていた。
 スーパーの買い物時に出す会員カードのように、カードリーダーを通すようにすれば簡単なのに。でもそれをすると自分でできない人がいるから、職員がはりつかなければいけないし、一つ一つの工程がスムーズに流れるようにするのはなかなか大変だ。

 初老の男性がやってきた。「これどうするんだ」などとボソボソ言うので、親切なご婦人が懇切丁寧に教えてあげたら、「ちぇっ、面倒くせ〜な」などとぶつくさ独り言。人に教わっておいてそれはないだろう。カードをカードボックスに入れるぐらいでぶち切れていたら、世の中ストレスだらけになってしまう。

 血液検査の順番は3番目で、これまでで一番早かった。採血も右腕から一発で決まり、ヤッタネ!!
 だが、よいことは長くは続かない。
 外来診察室前の廊下で待つのだが、アレレ一番ではない! 二番目も違う。よほど早く来た人がいたのだなと思っていたら、「yururiさぁ〜ん」と診察室受付の人に名前を呼ばれた。「外来受付を通してないですよね。あそこを通さないとカルテが回ってこないのです」。しまった。最初に行ったところでもらう治療計画表に沿って、次は診察にかかる科の受付を通さなければいけなかたのだ。
 
 人様のことを笑っていたのに、この私めがオッチョコチョイというか、バカをやってしまった。
 でもさぁ、総合受付を通ったら、あとはスムーズに流れる仕組みにできないものか。これでは以前と変わらないではないか。と今度は私が内心ぶち切れる。
 受付をすませてまもなく呼び出し機が鳴った。

 
 ■診察室にて
 診察室に入って、自分のドジを詫びると、「受付は一番なのに、カルテが回ってこないのはおかしいなと思って」とK先生。いい人だなぁ。 
 今日はいろいろ質問項目があったので、メモを見ながら質問する。

 【質問1】健康診断の話
 健康診断の結果を見せながら、「検査をしたのが抗がん剤を打った次の日で(保健所も役所なもので日程の融通がつかなくてとゴニョゴニョ言いつつ)蛋白と潜血が出ているので、腎臓が悪いかもしれない、超音波をかかりつけのお医者さんにとってもらってくださいといわれたんです。これが抗がん剤の影響なのかどうかがわからない」
 「ジェムザールで腎機能に影響があるということはほとんどない」
 「じゃあ、やっぱり(超音波を)受けたほうがいいですね」
 「プラチナ系といって白金製剤は結構腎臓に関わるんですけど、ジェムザールはほとんど出ない」

 「地元の先生で超音波が受けられなかったらここで受けられますか」
 「あー、いいじゃないですか。ここでやってもいいですよ。超音波だったらすぐにできますよ」
 「あと、尿酸が高め(女性は6.3までが標準なのに6.4)なのと、糖も106(60〜100mg/dlが標準)と高くて(これは高いといっても〜あまり高くないと先生が切り出したが、それを遮って)あとHbA(1ヵ月間の平均血糖で、5.4以下が標準)が5.6と少し高めなので、食事、栄養管理、体重管理をして半年後に3〜4kg減らしてもう1回ということです」
 「あまり気にしなくていいと思いますよ、これは。高いといっても正常値よりもごくごく、ちょっと高いぐらい。全然心配ないですよ」
 「よかった。でも、いちおう体重は3kgぐらい減らそうと思って頑張るようにします」
 「内服治療とかは必要ないということだと思いますよね」
 
 【質問2】出張はOK?
 (次回点滴予定日の)8月31日は翌日出張するのですが、いままでも翌日からは元気になるからだいじょうぶですよね」(だめと言われても、予定は決まってるのだから、アホみたいだが、ついつい聞いてしまう)
 「当日はやっぱりちょっとつらい?」
 「みんながだるいだるいというのに影響されるのか、私もだるいなぁと思って。あまり仕事がはかどらない」

 ■Mさん、亡くなった・・・
 「あー、関係なかったか」(ホッと独り言)
 「あ、こちら(健康診断の結果のこと)のほうね。でもね、これぐらいずっと出ている人はいますけどね。ちょっと蛋白が出たりとか、潜血が出たりとか、だから、そんなに気にしなくてもいいと思いますけどねー
(「ねー」と伸ばした部分は、先生がパソコンを打ち込んでいるので、そちらにも気を取られている様子を示している)

 「じゃあ、検査を受けなくてもだいじょうぶ?」
 「いや、受けておいたほうがいいでしょう。超音波はそんなにつらい検査ではないから……特に症状は何もない?変わりはない?」
 「全然。便秘もないし、食欲旺盛、打った当日だけだるいけど、翌日から元気」
 「いいことです。えーっと、白血球5600、好中球3300、血小板が25万なので、だいじょうぶです。2週に1ぺんならば本当に落ちついてできると思うんですよね」
 「でも、この間、下がりが鈍かったから、心配」
 「あー、(腫瘍)マーカーの?その月々で多少違うことはあると思うんだけどね。」

 先生の入力も上達して見えたが、「これ手書きでできるのがあればいいのにね」と言うと、「手書きでやったら、そのまま入れてくれればいいのにね」と先生も繰り返す。パソコンに親しんでいる人でないと、先生の苦労はわからないだろうなぁ。よくぞわかってくれましたという感じで、先生の声もここだけ弾んだもの。


 パッドに書けばスキャナーで読み取って活字にするという仕組みはあるはずなのに。結局は、都立病院だからお金がないということなのだろう。お金があればデラックスな病棟も、最先端の設備も、そしてスムーズな電子カルテシステムも、なんでもできるはず。満足のゆく都立病院維持のために都民が税金のほかに別枠で100円出しても10億円にしかならないのか。現実は厳しい……。

 ■点滴
 点滴は、前回のA先生がやろうとしたが、左腕のほうはうまく見つからないし、手首ならば失敗のないように1度で決めてくれ〜と頼んだのですぐにギブアップし、Y先生に「助け」を求めた。Y先生は、以前にS先生が失敗したときにも点滴を差してくれた。これでひと安心と思いきや、注射が入った左手首がはんぱでなく痛い。ズンズン痛くなる。「痛〜〜い。すご〜く奥のほうに進んでる」というと、そんなことないですよと打ち消すのだが、どうも怪しい。看護師さんもキリンのように首を伸ばして処置を見ている。これって血管を探っているよ〜。「注射針」恐怖症になりそうだ。この恐怖から逃れるために、一刻も早くどんなことをしても治さねばという気になる。
 
 A先生がいなくなってから、「血管、探ってたよね」ときくと、看護師さんが「あれは探ってた。私も、それで献血するの、やめたもの」と教えてくれた。患者はこういうとき、とても心細いものだから、このときだけでも患者の側に味方してもらえるとすごくありがたい。
 点滴や動脈注射は医者がやるようだが、上手な医者もいれば下手な医者もいる。注射の専門技術者を育成するということはしないのだろうか。

 ■この日はだるくない!!
 点滴の当日はだるいが定番だと思っていたら、だるさを感じなかった。日程的にどうしてもこの日にやらなければいけない仕事があったから、しっちゃかめっちゃかで体調を考える余裕もなし。だるさは気分的なものも影響するのだろうか。
 ところで、Mさんが7月に亡くなったことを知った。4月に外来に来たMさんと会ったときは少しやせたとは思ったけれど、まさか亡くなるとは。


8月13日(金)
取り決め3か条

 7月21日に行ってきた文京区の健診でひっかかり、保健サービスセンターに結果説明を聞きに行った。総合判定は「保健指導・栄養指導をお受け下さい」というもの。ひとまず安心。

 前回尿検査で蛋白と糖がプラスになって再検査を受けたところ、今度は糖は出なかったが、蛋白と潜血がプラスマイナスと出た。腸音波などの検査を受けたほうがよいとのアドバイス。肥満ぎみでも蛋白が出るので、やせたほうがよいそうだ。
 最初は医師から指導を受ける。

 「20代のときの体重は?」
 「ハァー、50kgですが(といっても、ン十年前の体重を聞いてどうする)」
 「20代のときの体重が理想体重といえるので、なるべく近づけたほうがいいですね。せめて60kgを切るようにしてください」
 
 肥満度はバッチリ「やや肥満」。20代のときに、毎朝夕体重計に乗って記録し、50kgラインに赤線を引いて一喜一憂していた生活が嘘みたいだ。いつしか54kgになったときには赤線引きをあきらめ、58kgを超えたら怒濤の重量オーバー、トド生活になっていった。
 尿酸、総コレステロール、中性脂肪、血糖の測定値が正常参考値をオーバーしている。これも肥満を防ぐことで改善されるそうで、栄養士さんから栄養指導を受けた。日頃から、規則正しい食事をして野菜をたっぷり食べているから、なかなか健康的だと思うのだが、今後は目標をたてて改善に努め、半年後に再健診を受けることになった。
 
 栄養士さんと相談する中で、取り決めたのは下記の3項目。
★間食や夜食は毎日しないように(半分に減らす)
★1日30分以上早足で歩く
★大豆製品を毎日摂る

 うーむ、もしかしたら、これから闘病生活をするかもしれないときのために体力を蓄えておこうと思ったが、肺ガン転移よりも先に糖尿病や高脂血症で命を縮めるかもしれない。ここはまじめに保健所のいうことを聞いて「体重を落とそう!」と決心した。
 それにしても毎日暑い。


8月3日(火)
電子カルテが始まった!!

 ■8月から電子カルテ導入、ワクワク
 7:50に到着。今までで一番早い。8月2日(月)から駒込病院では電子カルテを導入した。再診予約のある人は1Fの再来受付機で受付をしなければならないのだが、採血の予約は一刻を争う(嘘)ので、私だけ2Fの採血室に上がり、受付は相棒に頼んだ(新患受付はここの左手にある)。

   記念すべき第1回を自分でやらなかったのは返す返すも残念だ。受付をすませ受信機(PHS)を受け取れば、病院内〜駐車場付近まで は電波が通じるそうだ。

 受付の様子を知りたいので、1Fに戻った。受付機は銀行のATMのように1列に並んで待ち、空いた機械で受付をすませていく。自分でやらなかったから、相棒が「診察券を(磁気がついている)裏側を上にして入れて、今日の予約が出たら、確認ボタンを押すんだよ」と教えてくれた。銀行のATMでさえ、わからない人が続出するから、ここしばらくは大変だろうなぁ。1台に1人ずつ職員が立って説明をしている。フロアーにも心配そうに見守る病院関係者の人、人、人。

 ここで、フロアーに立っている人に質問をした。
1Q 受付票には検体検査と書いてあるけれど、レントゲンはどのように書かれるのですか。
1A レントゲンは○○(違う表示)だと思いますが、採血が終わったらレントゲンのところに行ってください。 
2Q 他の患者さんで先生が採血検査などを入力し忘れることがありましたが、受付したときに予約が入っているのに、検査という表示が出てこなかったら、どこへ言えばいいのですか。

2A それは採血室に言ってください。
(自分の順番が来たときに、先生からの採血予約が入っていないことがわかると遅くなるのに〜。ちなみにまだ私はそのような目にあったことはないのだが)

3Q 精算をして帰るときに、次回検査の予約が入っているかどうかの確認はできないのですか。
3A 当日の予約確認だけしかできません。
(ギョエ〜ッ、それではあまり役立たないではないか。対策としては、毎回「予約を入れるのを忘れないでください」と 先生にお願いするしかない)
 
  ■採血室にて
 
1Fの案内嬢に言われ、診察券は従来通り外来受付に予約票とともに入れたのだが、採血室前で主任技師Mさんが教えてくれるには、診察券はこちらへもってきてほしかったが、(従来からの検査予定を記した)青い紙があればだいじょうぶだろうとのこと。それでも心配になったので速効で提出した診察券を取りに行った。

 「受付カード(下の青いカード)を取りましたか」と採血技師さんが定期的に待合室の人たちに声をかけている。私同様、診察券を診察を受ける科に出してきてしまった人は「取りに戻るように」と指示されていた。1F、2Fともに混乱している。
 初めに行ったところで、ファイルに入った本日の「診療予定表」が渡される。ここも今回新しくなった点だ。
 採血は先ほどのMさんが右腕に一発で決めてくれた。手の甲や手首だと痛くても細い針だが、腕のほうは太い針なのでそれなりに痛かった。

採血室の前に行くと、受付札を下から抜き取ればよいようになっていた。これならば横入りはできない。今日は5番目。

診察カードを渡すとカードリーダーで読み取り、順番カードを渡してくれる 。

最初に受診し たところで、その日の診察予定表がファイルに入って手渡される。この順番で診療を受ける

 さて、ファイルをもって次はレントゲン撮影へ。「003」と紙にプリントされた番号カードをもっていくが、下のほうにバーコードが入っている。これを読み取ることにより間違いがなく進行していくようだ。

 レントゲン写真を受け取ってから、外科外来の受付でファイルを渡す。写真をもって診察室受付に渡していたら、後ろから「おはようございます」とK先生。おっ、髪の毛を切っている!! 「スッキリ」と思わず言ったら、先生、振り返って怪訝そうな顔をしていた。
 待合室に座っていたら、診察室入り口の所にそれぞれ「システムサポート要員」と名札を付けた人が立っている。呼び出し受信機は●anasonicだが、システムを開発したのはF通とのこと。
 サポートの人を撮影させてもらったら、「写真をとられたのは初めてです」と言っていた。2週間ほどはサポートにやってくるそうだ。
 患者さんも病院側も慣れるまでは時間がかかりそう。患者さんはやはり心配らしくいろいろなことを聞いている。

鳴ったら、PHS上のほうの「確認」ボタンを押せばいいこと、「切換」ボタンを押せば、違うメッセージを見ることができることなど、予め説明用紙をもらっているはずだが、同じようなことを質問している。うーん、慣れてしまえば、ベルが鳴るまでは自由にしていられるからずっといいと思うのだが、不安に思う人が多いらしい。
 せっかくメッセージが出ても液晶ディスプレイが暗いため、お年寄りには読みにくく、その不満が一番出ていた。 
 「若い人はいいだろうけど、私ら年寄りは……」

 かくいう私もすご〜くメッセージが読みづらいと思ったのだが、バックライトを明るくしたPHSはお金がかかるから、しかたがないのかもしれない。診察室前で待っていると、他の診察室では先生が相変わらず「××さん、○番診察室へお入りください」と言っている。これって受信機の意味があるのだろうかと思っていたら、おっ、私のメロディが鳴った。「診察室2へお入りください」だって。

←裏に東京都のマークが入っていたので、記念撮影。なんでも最初はうれしいなぁ。私は首に下げていたけど、バッグにひっかけている人が多かった。これを下げて、一緒にデジカメを下げたので、目立ちにくくバンバン写真がとれた。

 ■診察室にて(ほぼ実録)
 診察室に入ると、早速「記念録音、ハイどうぞ」と机の上にデジタルレコーダーを置いた。健康診断の疑問点を聞きたかったので 持参していたのだ。 いまどきはケータイ(私はPHS活用派)でも録音できるから、先生からの重要な説明は録音しておいたほうがよいと思う。

 「今日から電子カルテになりましたので」と言われたので、早速患者用ディスプレイの乗った診察室を撮影させてもらった。
「先生、こちらを向いてくださ〜い」

 フラッシュなしにしていたので、次にフラッシュをたき、念のためもう1枚と思ったら、先生から「あまり時間がないので急ぎましょう」と警告を受けてしまった。3ショット撮影して後で見てみたら、さすがに3枚目 (この写真)は先生も「まいったなぁ」といった表情だった。
 「ハイ、終わり」と言って私も席につく。

  「ただでさえ電子カルテは時間がないので。えーとですね、全部カルテがなくなって、コンピュータ入力になりますので、患者さんはカルテを書いた後が全部見えます。結果もここで見れるし、あとは違うことはそんなにないと思います」
 「私が打ったほうが早そう」
 「(笑って)そう思います。後は(体の具合は)変わりない?」
 
「はい、変わらないです。 (そう言ったら、先生、「元気です」と打ち込みをしていた)
 ただ先生、健康診断の結果で、抗がん剤を打った翌日だったのですけれども、尿検査で蛋白と糖がプラスになって 、診断する先生が血液も出るはずなのにおかしいわねー、たぶん再診になると思いますと言われたんですけれども」
 「あー、そうですか。打った次の日に行ったの?
 
(あちゃ、そんなことをしたの、アホかという表情。でも保健所も役所だから日程などが融通つかないのですよ)
 じゃあ、ステロイドとかも打ってるからねぇ、副作用の関係で。今日のレントゲンは特に問題はありません。
 そういえばねー、yururiさんのホームページをぼくの先輩が見たらしくて、『K、出てたよ』って」

 「K先生の名前を書いていないですよ」
 「写真が出てたでしょ」
 「ばれてきた・・・」

 「あと採血の結果も特に問題ないです」
 「今日は腫瘍マーカーとってないんですね」
 「今日はとってないです」

(先生、こうちゅうきゅう(好中球)と打ち始めたが、変換がうまくいかなくて打ち直し。)
 「本当にこれ、打ってくれる人を雇いたいぐらい」とぼやく。
 「好中球は一発では出ないのではないかなぁ」
 「そうなんです。でもね、ここでは出るみたい」
 好中球と打つのをあきらめ、この後、けっしょうばん(血小板)と打っている。
 「先生、血小板とかいうのを『@け』とかで一発で出るようにすればいいのに。記号は他の人は使わないので、一発で自分の辞書になっちゃう」
 「なるほどね(と言いつつタイプ入力のほうに神経がいっている先生)、なので今日は抗がん剤を入れていいと思います」
(タイプを打つ間は数秒間の沈黙。)

 「えーと、それでいつもと一緒にジェムザールを1100mg・・・」

 ここで次回の打ち合わせ。(沈黙、先生タイプ中)
 「先生、これだとすごく(時間が)長くなっちゃいますね」
 「そのうちに早くなるでしょう。(沈黙のうちに、先生のタイプ、カタカタカタ。これだと先生、肩こりがすごいだろうなぁ)
 フフッ(笑)、後でやります。今日の値、知りたいですよね。白血球7400、好中球数が4700、十分あると思います。血小板も23万。じゃぁ、支度します」
 
「はい、ありがとうございました〜、先生、頑張ってくださ〜い」
 以上、明るい診察室の会話でした。

 でも、これだけの会話をしたというのに、私が去るまでに先生のカルテには下記ぐらいしか記述がなかった。

S
元気です
O
胸部レントゲンは異常なし
白血球は正常、血小板も正常
A
抗ガン剤の投与可能
←画面の右半分にテキストエディターが出て先生が打ち込んでいく

 K先生のように若い先生(30代後半)でもパソコン入力に手こずるのだから、不慣れな年配の先生方は大変だろうと思い、後で看護師さんに聞くと「メーカーの人がつきっきりです よ(苦笑)。そのうち慣れるでしょうけど、時間がどんどん押していっちゃって」と嘆いていた。昨日が初日だったが、相当時間がかかってしまったのかもしれない。

 ■Fさん、ガンバレ
 診察室を出て再び診察室前に座っていたら、Fさんがやってきた。もともとスマートな人なのに、心なしか少しやせたみたい。24時間差している抗がん剤を少し強くしたために、吐き気と頭痛がひどいとのこと。治療をしなければ病気が進み、少しでもよくなるために、こんなにつらい治療をしなければならないなんて、がんとは一体どういう病気なのだろう。爪にも縦筋が細かく入り、指先が黒ずんでしまったと見せてくれた。どこが原因がわからないのに腫瘍マーカーだけ上がっていて、 ふつうならば手術をしなければいけないぐらいの数字だそうだ。PETを受診してみたらとすすめたけれど、私の場合も特定できなかったから、なんとも言えない。ただ、PETでもわからない部分があるということがわかっただけでも納得はできた。人間の身体はPETをも上回る精密 、不可思議なものからできているということだ。

 Fさんは食堂にいて、さぁ、食べようと思ったときに「待合室にお越しください」というメッセージが入り、あわてて駆けつけてきたそうだ。なのに、それから10分 経っても呼ばれなかった。これではあまり意味がない、きっと予約時間になった人に一斉にメッセージを出しているのだろう。5分前に鳴らしますということならば安心して時間をつぶせるのに。
 

 ■抗がん剤点滴
 抗がん剤点滴は新しいA先生がやってきた。ここもシステムが一新したので、手順を覚えていくのが大変そうだ。私のときにも、きちんと手順通りに進めていって、A先生が「確認」を押したら、エラーが出て、システムサポート要員が呼び出されていた。やはり何かと思わぬトラブルが出ている。一つの画面から次の表示に移るまでが長く、 看護師さんが画面を見ながら「遅いのよね」とぼやいている。

下記のことがパソコン画面に出ている。
●デカドロン注 8mg、生理食塩液50mL(速度156mL/h)、20分、外注 
●セロトーン10mg。生理食塩液50mL(156mL/h)、20分、外注
●ブドウ糖注射液100mL。ジェムザール注100mg、ジェムザール注 1000mg=点滴静注(200mL/h)、30分、外抗

 

↑手首に巻いたベルトに記されたバーコードを読み取って患者の照合。

 今日もやはり手首からの点滴だった。なんだか手首からもうまく入りにくいようで、微妙に針で探っている動き。看護師さんも後ろから心配そうに見ていた が、こういう針の動かし方はなんとも不安だ。採血室でも上手な人、下手な人がいるように、研修医の注射技術も様々なのかもしれない。裁縫が上手な人、包丁さばきが上手な人がいるように、注射も技術なのだと思ったら納得できた。学んだ知識をもとに、感覚的に決断できるようにならなければ技術は上達しないだろう。とはいえ、私もとても不器用だから、注射なんてド下手になるに違いない。

 看護師さんが「前回までは○○(デカドロンかセロトーンのどちらか)の注射をしてから、点滴を30分していましたが、今回から両方点滴になります」と説明してくれた。今の今まで最初に注射を打っていたとは知らなかった。
 それで、「吐き気止めの注射と点滴ってどう違うのですか」とA先生に質問したところ、「注射はさっとすみますが、点滴はゆっくり時間をかけて入れます」といった答えだったので、「それぐらい私でもわかりますが……」と つぶやいて後は聞くのをやめた。
 私自身の感想としては、注射をした後に点滴が入り始めると、下腹部にジーンと痛がゆいようないやな感覚が走るのだが、はじめから点滴だとそんな感じがなくてよかった。

 昔、電器店にパソコンのディスプレイを買いに行ったとき、各社の製品を見ながら「どう違うのか」と聞いたところ、「予算がなければ飯山電気、ふつうならば三菱、予算があればNANAO」という薦め方をしてオイオイオイと思ったことがあった。相手が知らないと思っているのだろう が、もう少し専門的な説明があってもよいはず。
 
 ■41番窓口で

 治療が終わると外来受付の隣41番窓口で診察券を受け取る。この窓口で呼び出し受信機が回収される。業務が混乱しているのか、いつもよりも待っている人が多い。60代くらいの女性が呼ばれて 診察券を渡されながら「ピッチ(PHS)は受付で渡されませんでしたか」「いいえ」とのやりとり。受信機=ピッチという言い方では相手に通じないだろうと思ったが、黙っていた。もしかしたら、あの奥さんのバッグの中にはピッチが入ったままになっていたかもしれない。 この後、支払い(1万5520円)をすませて病院を後にした。
 途中駒込病院近くの天祖神社で猫を見てパチリ。あー、なんだかなごむなぁ。

 この日の午後はやはりだるかった。夜も10時過ぎには寝た。
 だるいと言っても私はこの日だけで翌日からはケロリとしてしまうから、他の人たちよりはずいぶん恵まれている。このまま腫瘍マーカーが上がりませんように。