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  5月26日(土)   5月25日(金)の「明るい診察室」(詳細)  S先生、最後の診察          

 
 yururi   5月25日  呼吸器外科外来−今日も明るい診察室(詳細)   May 25  

 

(S:主治医のS医師)、(Y:yururi) 太字は先生が強調したところ。

■最後の日
今日は最後なのでお礼をいいたいからといって、miyaさんも一緒に入った。
しかし、イスがないのでmiyaさんは立ちん坊。
先生は、最初からご機嫌そう。髪も乱れているが、お疲れモードではない。
本日の採血データがプリントアウトされ、目の前に置かれていた。
ゲゲ、CEAは25.5。K病院のCEAデータで行けば微減。
しかーし、ラジオ波治療をした△▽病院(5/14)でいけば前回23.0なので上がったことになる。
 

Y

「あっ、上がっちゃった。ガビンチョ」

S

「何?上がった?」←先生はK病院のデータしか見ていないから下がったと思っている。

Y

「上がったじゃん。何これ〜〜。どっか悪いのかなぁ」
といって、持参していたカエルのグラフを見せる。
 
3/12 72.6、3/26 23.8、5/9 23.0は△▽病院。
これに5/25 25.5を追加すると誤差の範囲という感じ。
 

S

「何、そんなの、作っちゃったの、じゃ、ぼくが作ってあげようか」
そういって先生もK病院のCEA折れ線グラフをプリントアウトしてくれた。

Y

「先生、これは肝臓のほうの報告書。
要は、新たな肝転移はCTで出なかった。
だから、CT写真はもっていってもむだだというので もってこなかった。
ほら、(CEAはラジオ波)術後すぐ下がったんですよ」

S

「まぁこんなもんじゃないかい」

Y

「だから、K病院だけのデータだと、あ、下がってる、下がってる、順調だとなるのに。
△▽(病院)のこれ(23.8)とこれ(23.0)が入るから・・・。
CEAを測る機械は同じだと思うけど、病院でそんなに差が出る?
向こうの機械が狂ってるか、こっちの機械が狂ってるか、どちらかだけど、
それぐらいは誤差の範囲だからなぁ
今日、込んでるから急がないといけないよね。何かお話あります?」 

S

「ないです」
 

Y

「ない?今日は7分で終わっちゃうね。先生、次の先生は誰ですか」

S

「ちょっと待ってね」

といって、65秒間、電子カルテを打ち始めた。
医師にパソコンをうまく打てというほうが無理。
頭に電線(?)つないで、先生の考えていることを
打ってあげたいぐらいだ。
ラジオ波治療(RF)有効であったなどと書いている。
「お、有効であっただって、先生、はじめて認めた!」

ここで質問用紙を見せる。
■質問1  K病院はチーム医療をしているのですか

S

「チーム医療はしているのか・・・。チーム医療ってどういう意味なの?」

Y

「先生は外科だけど、抗がん剤をするときなど内科の先生とか、話し合いしてる」

S

「カンフェレンスは、する、する、する」

Y

「月1回とか?」

S

「あなたについてのカンフェレンスはしないけど、(「してないんだ〜」)
でも、相談するよ、みんなに。カンファレンスはしないね、さすがに」

Y

「そういうのが今求められてるとテレビでやってるから」

S

「そうらしいね。キャンサーボードというのがうちにはあって・・・
ねぇ、かっこいいよね、キャンサーボードってきくと。 
問題症例をみんな提示しているから。
あなたの場合、問題症例かといわれれば問題症例なんだけど、
それはK先生(放射線)とかいろいろな先生に相談しているわけ。要は」


■質問2 次の先生は誰ですか

Y

「次の先生は?」

S

「Y先生です」

Y

「それは金曜日だけですよね。
S先生の場合は火曜日も金曜日もやっていて、
私は途中から火曜日から金曜日になったけれど、そういうことはできないということですね」

S

「そうね、きびしいね」

Y

「でも、どちらの先生がいい?」 ←オイオイ

S

「今度くる先生はH先生という先生だけど、1回しか会ったことがないからわからない」

Y

「どんな感じの人」

S

「穏やかな人」

Y

「穏やかか〜、どっちがいいかな」

S

「ものはいいようだね(笑)」


■質問3


先生の患者さんで、再発してCEA5以下に下がり
治療を休んでいるというような元気の出る事例はないのか 

S

「休んでる人はいない。やはり薬を使ってます」

Y

「でも、長い人はいる?」

S

「長い人ね、一時(CEAが)100いくつまでいっちゃった人がいて・・・。
何人かいるよ。結構」

Y

「がんばってる?」

S

「がんばって・・・ますね。また、上がってきちゃうんだけど」


■質問4 
 K病院の脳転移はXナイフ治療?
 

S

「脳転移はXナイフ? ここのあれはXナイフです」

Y

「Xナイフとγナイフの違いは?」

S

「γナイフのほうが小さいのが焼けます。
だから、小さいのを焼きたいという話だとうちでは焼けない」

Y

「なんでXナイフなんだろう。みんなγ、γっていってるのに」

S

「入れた当初がそれしか・・・
放射線の線源がそれだったという話だから」
 

Y

「いま思い出した。先生が長野に行くのは自治医大だから
長野に貢献しないといけないという命令がきたの?」  ←このところの疑問を提出。

S

「ぼくは義務年限終わってるからそんなのないよ。もう」

Y

「あ、そうなんだ、帰りたくてカエルのね」

S

「いや、まぁ、いろいろとあるんですよ、人間関係が。
ぼくも一人でお医者さんをやってるわけじゃないから、
やはり仲間があってのあれですからね、いろいろあるんですよ」

 

■質問5

次はTS-1とジェムザールとのことですが、
ナベルビンが効いている間は引き延ばしていていいですか

S

「これ変化していないのだったら、このままいきますか。
そういうふうに(次の先生に)いってください」

Y

「太めだから40mgだったんだけど、ナベルビン20mgをやっている人がいるんですけど、
病気によって入れる量が違うんですか」

S

「低用量で何回かに分けて入れてるんじゃないですか。
あくまでもナベルビンは25パースクエアで、あとは年齢とかを考慮して減らしますけど」
 

■質問6

白金製剤を続けてやって、しばらく休んでいる人がいる
ここでは白金製剤は1回だけだが

S

「白金製剤を何回も使っていると、耐性というか、
骨髄抑制がたくさん出てきちゃうので、やりたくとも継続できないというのが 実情です。
だから、白金製剤だけ単独で使うことはあまりなくて、ふつうは組み合わせですよね。
組み合わせて使えば、あなたのような方だとすぐ下がっちゃうでしょ。
だから、結局、使えないですよということになっちゃう。使いたくても」

Y

「わかりました。ブログやってる人で、シスプラチン、パラプラチンと他の薬と組み合わせ、
続けてやっている人がいたので」

S

「ぼくもなんでだかわからないのだけど、
肺がんも手術をした人のほうが骨髄抑制って出やすいような気がする。
なんでだか知らないけれど、そういう印象があります」


■質問
7


お薬
を出してください(質問というより忘れないためのメモ)

Y

「おくすり。先生、去年夏のイレッサのときに、おみずになったんだけど、
ほうっておいたらまたちょこっとおみずになりそうなんで、
先生がいるうちにおみずの薬を出してもらおうと思って」 ←ひそひそ話。

S

「おみずって何?」

Y

「みずむしだって」

S

「あー、そういいなよ。おみずってなんなのよ」

Y

「はずかしいじゃない」

S

「あー、おんなの方だからね、そうだよね」

Y

「がんよりはずかしい。おみずなんて、キャッキャッキャッキャッ」 ←恥を感じていない。
それで、十全大補湯と一緒に出してもらった。

 

■質問8

むくみは抗がん剤の副作用のせいだと思うのですが

Y

「あと先生、むくみがずっとあって、抗がん剤の副作用のせいだと思うのだけど」

S

ぼくもそう思います」  ←ようやく認めた!!

Y

いや地現象だと思うのですけど

S

「フフフフ」

Y

「はっきりいって、しばらく休むというのは? 休むとやっぱり上がってしまう?」

S

「じゃ、今日はお休みしようか?」

Y

「ううん、先生、今日で最後だからいちおう打ってもらってもいい」

S

「今日は待たされるよ。だから、今日1回とばしてもいいよ。(CEA)変わってないし」

Y

「でも、次のときにすごく上がっちゃうということは」

S

「それはそれだよ」

Y

「せんせぃ〜、いなくなると思って無責任なことを」

S

「でも、6月1日に検査するわけだから、それを見てからでもいいような気もするよ。
どうなんですか。ちょっとお休みしたいというところでしょ」

Y

「うん、むくみがたくさんあるから」

「むくんでる程度じゃないじゃないの〜」とmiyaさんが横やりを入れる。

Y

「これがむくんでる程度じゃない?」むくれる。 

S

「わかってるけど、ちょっと待て」 と先生は手首をチェック。
関節近くが少し盛り上がっている。
「確かにね、ここね。でも、1回お休みしてもいいと思うよ。
だって、(CEA)ガクンって下がったから。とりあえずはね」


■治療は検査後に決定

Y

「でも、(標準以上で)継続しているというのは、何かがまだ残っているということなんですか」

S

「そのあと、また下がるという人もいるよ。
でも、わからないよ、ここから上がる人もいるから、ケース・バイ・ケースですね。
確かに(検査結果を)見てからのような気がします。
次に変更するということだってありえるからね。
だって、新しいところに出てるとか。骨はいままでなかったけれど、
骨にあるっていう話だったら治療方針を変えないといけないから」

Y

「抗がん剤を使ったうえで?骨に効く抗がん剤なんてないじゃん」

S

「放射線当てるでしょ?
放射線当てるとなると、放射線やりながら抗がん剤を使う人もいるんだけれど、
結構、副作用出やすくなるのでどちらかをお休みするということになると、
放射線だけやるということになる。
そういう意味で、今度の検査の結果、治療方針が変わるとなれば、
今日はとばしてもいいかもしれない」

Y

「先生、(抗がん剤を)やれというときにはちゃんというよね。
骨転移になってこの間隣で抗がん剤をしていた人なんて、
先生に怒られたといってたもん。S先生にこっぴどく怒られたって」

S

「怒った覚えはないなぁ。患者さんがそう思ってるだけかもしれない」

Y

「ここまで自分のことを考えてくれるんだと考え直して受けることにしたんだって。
エライ、パチパチパチ。で、今日はやらなくていい?」

S

「まず(検査をして)評価しましょうよ。ね、どうですか、それで。
だって、いっちゃなんだけど、頭に病変あったら話が別だからね」

Y

「うん、そうだけど(笑)、頭に出てくるんですか」

S

「それがね、こんなにすごくよく効いてたと喜んでいた人がね、
急に元気なくなったと思ってCTとったら頭に病変があって。
あるんだよ、体のほうは効いていても、頭は薬剤いこう性といって  ←移行性?わからず。
あんまり抗がん剤いかないのね。実際のところ。
だから、体のほうは効いていても頭は単独で(腫瘍が)大きくなってると
いうことがあるものだから。

ただ命のことをいわせてもらうと、やはり優先順位は頭なんですよ。
だから、頭に放射線をかけるとか、場合によっては、
大きさによっては手術をしなければいけないとか、
あとはXナイフとかγナイフというのでやくかどうかを検討しなければいけないから、
検査するとはっきりするわけでしょ。
次回外来でどうですか。そのへん決まるでしょうから」

Y

「はい、わかりました。先生、なんで頭疑ってるんですか。
もうそろそろ、他の例からみると出るころだと思ってるわけ?」
 

S先生、顔を見ながらニッコリうなずく。ニッコリ、ニコニコ、意味深。

Y

「マジ?5年くらいで?ウッキキキキ、ほんとにそうなんですか?」

S

「いや〜それはケース・バイ・ケースだから」

Y

「出ない人もいる?」

S

「いますけど。ちょっと痛い目にあってるからね、ぼくも」

Y

「何?痛い目って」

S

(バタバタと机を叩きながら)
「いや、だからさー、効いてよかった、効いてよかったと安心してたら、
実は頭にあったというケースがあるんで〜」
 

Y

「じゃ、頭に出たらそのときの状況によって外にいってもいいと」

S

「基本的に、X線でもγナイフでも頭の治療に関しては我々は脳外科にコンサルトします。
それで、うちでXナイフをするか、手術をするか、γナイフでするかを決めます。
治療のアドバイスは向こうに任せます」

Y

「見つかった時点で全脳照射が必要なんてこともありました?」

S

「ありえます」

Y

「ありました?あった?」

S

「うんうんうん」

「部位によって違うのだから」miyaさん

Y

「いちおう先生に見解をきいたほうがいいじゃん」

S

「ありえるよ。全脳照射はあとで追加でやることがあります。
たとえば1〜2個かければいけないところがあって、
予防的にやっておこうといってやることはあります」

Y

「わかりました」

S

「まぁ、そういうことで」

ここで、ニコニコ顔の記念写真を撮らせてもらって、「どうもありがとうございました。元気で」
と診察室をあとにした。患者がたてこんで忙しいというのに、先生はわざと動いた。

待合の廊下に出たときに、「リュックは!?」と気づき、診察室に後戻り。
先生は「これで決まりだな」と思ったに違いない(笑)。