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 <2>夏の海 と電線〜夏の海岸には電線がない
 某巨大電話会社が民営化される前、間にいくつか入ってソフトの制作を頼まれた。やっと完成したが、「プログラムオープニングの画面がさびしいので、春夏秋冬の季節がわかるものを何でもいいから出してくれ、デザインは任せるよ」といわれたそうな。
 そこで、miyaさんたちは<春は桜、夏は海、秋は稲穂、冬は雪景色>のデザインをしてもっていった。
 ところが担当者は、デザインを見るなりあっさりと言った。
 担当者「雪が降っているときはうちは工事しないから、雪はだめだよ。秋の稲穂は農繁期のイメージだよね。農繁期は職人が集まらないから工事しないんだ。春の桜は国花だからまぁよしとして、夏の海岸には電話線ないんだ」
 miyaさん「じゃあ、四季のイメージを色で表現しましょう」

 そこで、春は桜色、夏は太陽の赤、秋は黄色、冬は白の色をあしらって再びもっていった。すると     「赤は血の色を連想させるからだめ。うちは工事するから安全上、血の色はまずいんだよ」
 miyaさん「では、どうしましょうか?」
 担当者「うーん、初期画面はいいや、やめよう」
 ここでムカツクmiyaさん。(だから、初期画面なんて要らないってうちらは提案したじゃん、最初から言えよ)と思ったそうだ。何でもいいよ、任せると言いながら、できたものにあれこれ注文をつける人は多い。

 ともかく納品するために、再びmiyaさんは新幹線に乗って遠くまでわざわざ出かけていった。
 担当者「このコンピュータにインストールしてよ」
 miyaさん「これ起動時にエラー出てますよ、変ですね」
 担当者「いいからインストールしてよ」
 miyaさん「エラー出たらインストールできないですよ。ちょっと直しておきますね」
 
 直してインストールをしてOKが出た。さぁ、帰ろうかというときに、声をかけられた。
 担当者「あ、そのマシン、ちゃんとエラー出るように戻しておいて」
 miyaさん「だって、もう直しちゃいましたよ」
 担当者「そのマシンは私の担当じゃないから変なことをするとまずいんだよ。エラーが出ないと検収できないよ、はんこ押さないよ」
 それから1時間ほどかけてエラーが出るように直した。
 miyaさん「エラーが出るからソフト起動しないですよ」
 担当者「いいんだよ」
 
 嘘のような本当の話。なんのために無理な納期で徹夜の連続で作ったんだか―と九州からふてくされて帰ってきた。
 いろいろなことがあった中でも、あれは大変だったね〜と仕事仲間といまだに語りぐさになっている仕事である。
 

<2005年10月11日>