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 <9>罫線がつながらないゾ
 かれこれ10数年前、某○電公社が出資した会社での話。miyaさんは数ヵ月だけ手伝いに行っていた。

 エクセルを使って仕事の進行表を作っていた部署の責任者Tさんが「お、できた、できたぞ〜」と喜んでいる。
 「あれ、罫線がつながらねぇぞ、どうしてだ。バグじゃないのか。すぐMSに電話しろ。うちでバグ発見したから、すぐ直すように連絡しろ」と威張り声。

 「どうしたんですかぁ」とmiyaさんが後ろから画面をのぞき込むと、セル1個ずつにハイフンを入れていた。セルにハイフンを入れてもハイフンが伸びるはずはない。おまけに進行表などエクセルで作る必然性は全くない。
 miyaさんは「ご自分で電話されたほうが話が早いっすよ」と、即座にその場を離れた。

 それにしても、エクセルのセル内の文字を揃えるのに、半角全角のスペースを入り乱れて合わせている。、
 それとセル内の改行をAlt+Enterキーで行えばいいのに、次のセルに入れてしまっている。
 表計算をするのに、関数を使わずに計算機で計算しながら結果をセルに入力している。一体表計算ソフトとは何なのだ。

 「これはどことどこの合計ですか?」
 「こことここだよ」というのだが、分析ツールを使ってもセルの参照がどこにもされていないし関数も入っていないから分からない。 そういう人が企画立案するのだから、すべてが「概ね」「大体」「ほぼ」「約」「適当に」の世界になってしまう。
 「面倒だから、あんたやってよ」ともってこられ、罫線の「ここは太く」「ここは二重罫線に」などと形にこだわる。「いつまでに」というのと、見栄えだけはうるさくいうのに、結果についてはどうでもよさげだった。

 また、要求仕様書と仕様書(実は仕様書としての体は全くなしていないのだが)は「ホチキスは左上45度に揃えて」「ハンコを押す欄は必ず作って」「お偉いさんの押印欄は必ず左側に」「表紙も忘れないで」などとうるさかった。

 「で、この仕様書に沿っていつプログラムができる?力作の仕様書をここまで作ったのだからすぐできるだろう」と言われても、仕様書を全部作り直すのに1週間かかった。
 こういう人がたくさんいてもつぶれずにやっていけるのだから、会社っていいとこだね〜と妙な感心をしていた。ちなみにmiyaさんは生まれてこのかた、会社に勤めたことは一度もない。一度でいいからボーナスをもらうのが夢である。
 

(2005年11月23日)