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 あれは、新潟のほうへドサ回りに行く途中だったかな。
 現地集合なので、みんなで車で出かけた。久しぶりに夜1回の公演だし、帰りが遅くなるので車がいいね。
 
 でもまだ関越道が高崎までしか開通していなかったので高崎から国道17号をブィーッと走っていたら、
 「あ! タコスなんて看板あるよ。急に腹が減ったねー。
 ちょっと食べていきましょうよ、タコス。
 こんな田舎でおしゃれじゃない。
 きっと帰化したメキシコ人か、日系人がやってるんだよ」

 車を止めて中から、店の人と思われるおじさんに大声で呼びかける。
 「おじさ〜ん、おれ、2(ツー)タコス&コークね。テイクアウトで(←miyaさんは沖縄復帰直前、コザのタコス屋さんにチョイチョイ行っていたので、頼み方もうるさい)
 「お、miyaさん、通ジャ〜ン」
 「ツータコスとか頼んでから、足りなければもう1個頼むといいよ」
 
 「はいよ〜ツーというのは2パックかい」
 「2パックじゃないよ、2個だよ」
 「うちは2個とか売らないよ」
 「おいおい、タコス屋なのに、なんで親父が縮みのシャツ着て外にいるんだよ」と他の連中はゴチャゴチャ。
 「おじさん、ここはタコス屋なんでしょ」
 「そうだよ、タコ○○屋だよ」--○○は聞こえないくらいの声。
 「ほら、間違いないじゃん。でも、なんでお好みソースの臭いがするんだよ」
 「おじさん、ツータコスとコークでいいよね」
 「だから、いくつだってきいてるんだよ。2パックなんて食えねぇよ。うちのはでかいよ」
 「でかいって、どこでつくってるのよ。早く中に行ってつくってきてよ」
 「大きなお世話だ。ここで今焼いてるんだよ」

 なんだか様子がおかしい。
 「ちょっと見てきてよ、あそこにいって」
 「タコスって丸い玉かい。なんだ、おじさん、たこ焼きじゃない」
 「そうだよ、そこに旗立ってるじゃない」
 「看板にタコスって書いてあったよ」
 「あれは前の店だよ、つぶれたんだよ」
 「おじさんがやってたの?」
 「そうだよ」
 「じゃあ、タコス&たこ焼きで押せばいいんじゃないの」
 「こんな田舎じゃタコスなんて売れねぇよ。昔、タコス屋やってるときに飲み屋と間違ってやってきて、タコ酢だと思われたよ。タコ酢を単品で売ってるわけねぇだろが。この造り見てみなよ。一杯飲み屋の造りじゃないだろ」とむくれるおじさん。

 「じゃ、1たこ焼きスとコークでいいや。みんなもいい?」
 「あー、いいよ、おじさん、めげないでガンバってね」
 車の中はソースの香りプンプン。歯は青のりが一杯、まだらお歯黒のありさま。

 その後しばらくしてからドサバスで通ったら、影も形も無かった。
 「つらいねー」
 「親父、元バンドマンじゃないの」
 「そうかもしれないね。商売の読みが甘いもんね」
 「タコス食べたいなー」
 「今度、どこで休憩?」
 「腹減ったよー」


というわけで、タコスの話を聞いていたら、タコスが食べたくなってリクエスト。今晩の主食はタコスだったのだ〜。昨日はタコ酢(←)、今日はタコス(→)。うちらって楽しく生きてる♪
 miyaさんは「タコスは日本人になじまないのかねぇ、おいしいのに」と言いながら、ぱくついていた。

(2006年2月9日)