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一度、場末の夜店のハコ(キャバレーなどのこと)にトラで行ったことがあるんだけど、
そのバンドはおクスリやっている人がいたんですよ。
当時は勘違い君がはやりでやっていたねー。いうことがふるっているんだ。赤い目をして、
「オレは金魚にも感動してもらえるような音楽をやりたいんだよ。
(・・・クドクド、クドクド・・・以下延々と回らない舌で繰り返し)」

「金魚、耳ないんじゃない?それよりさー、オクスリやめなよ」
「いや、これやるとねー、おろ(音)に対する感覚がすごく敏感になるんですよ。
(・・・クドクド、クドクド・・・以下延々と繰り返し)」
「だって、半音近く音ずれてるよ。自分で勝手にコーフンしてそう思ってるだけじゃないの。さっきなんて、もう迷子になって自分勝手にやってたじゃん。
だいたいクスリやって音楽うまくなれるんだったら、
薬屋の息子はみんなニューヨークに行ってるよ」

それで、その人は、なかなか次のステージ上がってこないと思ったら、トイレの出口で寝っ転がっていた。miyaさんは、その日でお断りしたそうだ。

ドサ周りでもそういうのがいて、控え室のカーテンを外して角に三角形のエリアを作り、ここは俺の控え室だから、覗くなよなどという。
みんなが冗談をいって笑っていると、急に顔を出し
「俺の悪口をいってるんだろ。俺は知っているんだぞ。お前だよ、お前、
俺のこと嫌って楽器に細工しようと思っているだろう」
と怒鳴っている人もいた。

沖縄に行っているときも、マリン(海兵隊)の仕事をしているフィリピン人の
バンドマンが、赤玉(現地の兵隊さんに聞いた話〜miyaさんの語学力では多分こういうことだと思った〜によると戦闘時に飲む覚醒剤で24時間寝なくてもがんばれる。日本の感覚だと"勢いをつける"に相当する)をよく飲んでいた。

フィリピンのSax吹きは、夜中に顔はテラテラ目はギンギラギンにしていた、
演奏はブローというか、なんというか、
「よく疲れないねー」
ステージ終わると、今度は酒を飲み神経を麻痺させようとしていた。
それで、頭と肝臓がおかしくなり、何を言っているのか分からない状態で、
顔とからだが一段とどす黒くなり、miyaさん達は
「あいつ、クスリ焼けかねー。それとももともと色黒ななのかよく分からないねー」
と言っていた。

バンドをする人はみんなおクスリをすると思ったら大間違い。
やらない人は徹底してやらずに、おクスリをする人たちをばかにする。
「オクスリ・バンドを作って自分たちだけでやればいいのに」

おクスリをやると妙に
「世界が平和でいられるように・・・クドクド、クドクド・・・以下延々と繰り返し」とか
「おれたちは仲間だ・・・クドクド、クドクド・・・以下延々と繰り返し」
とかいうらしい。
中には「アリと対話したい・・・クドクド、クドクド・・・以下延々と繰り返し」
などとほざくのもいた。
「いいから、トイレでゴキブリとしゃべってこいよ」

注 : おくすり(スリク 又は スリクー)、睡眠薬(ハイミナール-ハイチャン-飲んで眠くなってきたときに眠らないように我慢していると恍惚として来るらしい。我慢できない人はクスリを正しく使用したことになる)から覚醒剤(当時はヒロポン-眠気や体のだるさを感じなくなるそう。体をごまかしているので食欲がなくなり、体が汗臭くなり)まで幅広い。
現在とは少し種類が異なる。

(2006年5月5日)